それ以外にもマイクロソフトでは随所に工夫をこらしている。たとえばリボンUIの上部に表示される[クイックアクセスツールバー]は、よく使う項目だけをまとめたショートカットを作成できるツールバーだ。リボンUIはその構造上、タブを移動しないと目的のコマンドが表示されない(ショートカットキーを使う場合を除く)が、この[クイックアクセスツールバー]では、常時コマンドが表示されるので、いつも使う項目にアクセスしやすくなる。

リボンの上部にあるのが[クイックアクセスツールバー]。設定でリボンの下部に表示することもできる

[クイックアクセスツールバー]にはOfficeの各アプリケーションのすべてのコマンドを登録できるので、自分の使い方にあったツールバーにカスタマイズできる。

[クイックアクセスツールバー]のカスタマイズ画面

他にも、従来の[ファイル]メニューは[Officeボタン]となり、内容が整理された。[名前を付けて保存]や[印刷]でいきなりダイアログを起動するのではなく、保存形式を選択したり、印刷プレビューを表示したりといった選択を行うようになった。各アプリケーションのオプションもここから起動するようになっている。

インタフェースが一新された[ファイル]メニューは、[Officeボタン]として生まれ変わった

また、文字や段落を選択した時に、カーソル付近に[ミニツールバー]が表示されるようになった。これは、文字や段落の書式設定を集めた小さなツールバーで、ここからフォントの種類や色、インデントといった設定が行える。カーソル付近に表示されるため、いちいち画面上部のタブにカーソルを移動させなくても設定できる。

[ミニツールバー]

画面下部のステータスバーも改良されており、ビューの切り替えや各種情報表示、ズーム機能が加えられている。

機能強化されたステータスバー

このように、リボンUIをはじめとする使い勝手の改良は随所に及び、多くの機能を備えるOfficeアプリケーションの使いやすさを向上させようとしている。機能はむしろ増えているのだが、リボンUIによってその機能の多さを思わせない進化を遂げている。