その2007 Office Systemについて、まずは復習までに発売されるエディションと、それぞれに含まれるアプリケーションをまとめておこう。
2007 Office Systemでは、パッケージ版とビジネス向けのボリュームライセンス版の2種類が用意されており、その中でもセットのアプリケーションによって複数のエディションが用意されている。通常の個人ユーザーが使う場合は、PCにプリインストールされたOffice Personal 2007を使うことが多いだろう。一部のPCには、これにPowerPointが追加されているものもある。
これらのアプリケーションは、すべて同じポリシーで開発された、とはいえない。買収した他社製品が組み込まれたものもあるし、独自路線で開発されたものもあるので、同じOffice Systemのアプリケーションとはいえ、それぞれ用途や目的、開発の経緯が異なっているためだ。
Office 2003のころと比べて、1パッケージの中に含まれるようになったのは「Office Communicator」「OneNote 2007」「Groove 2007」「InterConnect 2007」の4製品だ。
連絡先の情報と日々の記録を結びつけて管理するInterConnectは、もともと日本独自製品として開発されていたもので、従来は単体発売のみだったが、2007 Office SystemからOffice Ultimateにのみ含まれるようになった。
Communicatorは、企業向けのコミュニケーションクライアントで、インスタントメッセージングやVoIPといった機能を提供。OutlookやWordとの連携機能も備えている。企業向けのボリュームライセンスにしか含まれない製品で、個人ユーザーが必要とすることはほとんどないだろう。
OneNoteは、テキストや手書きメモ、音声、ビデオなどの情報を1つのノートに共存させ、情報を収集・管理するデジタルノートだ。こちらもこれまで単体発売されてきたが、パッケージ版としてOffice製品に含まれるようになった。
Grooveは、もともとGroove Networksが開発してきたPtoPによるコラボレーションツール。マイクロソフトが同社を買収し、Officeファミリの一員となった。社内外のユーザーが1つのワークスペースを共有し、ファイルの共有やスケジュール、ディスカッション、フォームなどを一緒に使いながら案件を進めていくためのツールだ。ちなみに、Groove Networksを創立したのは、Lotus Notesの開発者としても知られるRay Ozzie氏。2008年にビジネスの第一線から退くBill Gates会長の後を引き継ぐ形でCSA(Chief Software Architect)に就任しており、マイクロソフト開発部門におけるGates会長の後継者となる人物だ。
その他、以前からOfficeのパッケージに含まれていたOutlookやPublisherやAccess、InfoPathといった製品も順当に機能向上をしているが、そうした中でOfficeの中心的アプリケーションといえるWord / Excel / PowerPointに関しては、すでに前述したインタフェースの刷新と新ファイルフォーマットの採用が行われている。
それがリボンUIとMicrosoft Office Open XML(OpenXML)だ。