Excel 2007では、12個の関数が追加されている。代表的なのは、[その他の関数]→[キューブ]に配置されている7つのキューブ関数。企業の業績を監視するために主要業績評価指標(KPI)のプロパティを返し、KPI名をセルに表示する[CUBEKPIMEMBER]など、データベースに接続して利用するためのもので、一般ユーザーには縁が遠いだろう。

新しく追加されたその他の関数は次の通りだ。

AVERAGEIF=条件に一致するすべてのセルの平均値(算術平均)を計算する。たとえば、商品の売上表の中から、100個以上売れた物のうちの価格の平均を求めたり、一定以上の売り上げの店舗の平均の売り上げを求めたり、といったことが可能。

AVERAGEIFを使った計算。170万円以上の売り上げの平均値を求めている

AVERAGEIFS=上述のAVERAGEIFに対し、複数の検索条件を設定して、それに一致するすべてのセルの平均値(算術平均)を計算する。指定できる条件や条件範囲は127個まで。たとえば恵比寿駅周辺で駅近、駐車場付きの賃貸マンション物件の平均価格を求めたり、第1四半期の関東圏内の店舗で一定以上の売り上げの店舗の売り上げの平均を求めたりといったことが可能。

AVERAGEIFSの計算結果。恵比寿駅で、駅から1キロメートル以内の物件の価格の平均を求めている

COUNTIFS=従来からあったCOUNTIF関数に対して、複数の条件を指定できるようになったのがこのCOUNTIFS関数。指定された範囲に含まれるセルのうち、複数の検索条件に一致するセルの個数を計算する。たとえばここ10年間の3月の晴れの日の数を数える、などといった計算が可能。

COUNTIFS関数の例。一課の営業員のうち、30歳以上で10個以上の売り上げをした人の数を計算している

IFERROR=数式がエラーになった場合に指定の値を返し、それ以外の場合は数式の結果を計算する。たとえばエラーになった場合に空白を表示する、エラーの場合に別の数式を実行する、といったことが可能になる。

IFERROR関数を使った例。エラーが出た場合に空白を表示するようにしている。D4セルは、普通に=C4/B4と計算しているのでエラーになっている

SUMIFS=従来からあるSUMIF関数に対して、複数の条件を指定できるのがこのSUMIFS関数だ。範囲内の複数の検索条件を満たすセルの値を合計する関数で、たとえば関東地域のA店舗の毎月の売り上げの合計のような計算が行える。

SUMIFS関数の例。関東のA型の個数の合計を計算している