プレゼンの基本は一見して見やすく、分かりやすく、インパクトがあることだ。文字の羅列だけでは、補助資料としてはいいかもしれないが、相手に理解を促してこちらの意向を伝えることは難しい。

そこで図をうまく使いこなすことが重要になる。PowerPoint 2007では、図の扱いがより簡単になり、センスのいいプレゼン資料が作りやすくなっている。

新機能となるのが[SmartArt]だ。PowerPoint 2003でいう[図表ギャラリー]の機能だが、こちらははるかに機能が向上。[図表ギャラリー]では6種類しか図がなかったが、[SmartArt]では100種類以上の図が用意されており、これならば自分が使いたいような図が見つけられるだろう。

豊富な種類が用意された[SmartArt]。それぞれの図に対して例と解説が表示されるので分かりやすい

SmartArtを挿入する

[SmartArt]を挿入するには、[挿入]タブ→[図]→[SmartArt]と選択し、ダイアログボックスから図を選択する。図の数は多いが、分類表示と解説を確認しながら探すといいだろう。

[SmartArt]を挿入したら、そこにテキストを入力していくわけだが、[SmartArt]ではさらに便利な仕組みを導入。図の脇に[テキストウィンドウ]が表示されるので、そこにテキストを入力していけば、自動的に図の中にもテキストが入力される仕組みだ。[SmartArt]は、図で階層構造や順序などを示しているわけだが、テキスト自体は入れ子を含むリストで管理される。これによって、別の図に変更したとしても、その図の構造に従ってテキストが再配置されるだけなので、いちいち入力し直す必要がないのだ。HTMLでテキストの構造を示してCSSでデザインを変えるWebサイトの仕組みと同じ考え方で、図をいろいろ変えながら、一番分かりやすい図を使うことができる。

[SmartArt]と[テキストウィンドウ]。入力するテキストは変わらないので、図を変更してもそのままテキストは再配置される

[SmartArt]は、デザイン性を重視するためか1つの図に入力できるテキストの最大数が決まっているものもある。要は、1つの[SmartArt]内に作成できる数が決まっているということなのだが、そのためどのようなテキストを入力するかによって使える[SmartArt]が制限される場合もある。

[SmartArt]を変更したところ。この矢印の図は同時に2つしか使えないので、残りのデータは表示されない。テキスト自体は維持されているので、[SmartArt]を変更すれば残りのテキストも表示される

逆に今まで入力してきたテキストに、さらにテキストを追加したい場合は、[SmartArtツール]タブ→[グラフィックの作成]→[図形の追加]で増やすことができる。

図形の追加で入力するテキスト数を増やすことができる

同様に、テキストの階層構造も持っており、アウトラインのようにテキストのレベルを上げたり下げたりできる。[SmartArt]も階層構造を示すものがあるので、それを使った時に自動的にテキストが配置されるようになる。

階層構造を持つ[SmartArt]を選んだ場合、テキストが階層で分類されていないときちんと表示されない

テキストウィンドウの右クリックから[レベル下げ]を選べば無事に表示されるようになる

[SmartArt]を挿入すると、リボンに新たに[SmartArtツール]タブが出現し、関連する機能をまとめて利用できる。

上部に新しいタブが出現している。[SmartArt]の設定はここから

[SmartArt]の挿入方法は、[挿入]タブから挿入する方法に加えて、テキストの右クリックからも入力できる。はじめは単にテキストをリスト形式で入力していたが、もっと分かりやすく見せようと[SmartArt]を使おうと思った時に、そのテキストを選択して右クリック→[SmartArtに変換]をポイントして、後はそこから任意の[SmartArt]を選べばいい。同様に、[ホーム]タブの[段落]→[SmartArtに変換]からもテキストを[SmartArt]に変換できる。

テキストから[SmartArt]に変換することで、一気にスライドが見やすくなる

リボンUIから[SmartArtに変換]を選ぶプルダウンでは、ライブプレビューに対応するのでカーソルを合わせるだけで実際の適用結果が確認できる。メニューに表示されない図に関しては[その他のSmartArtグラフィック]から適用する