ところで、リボンUIの欠点として挙げられるのは、連続してコマンドを実行したい時に手間がかかる、という点。リボンは作業スペースを確保するために一部の項目しか画面に表示せず、スクロールする必要がある他、コマンドの一覧を展開する必要があるため、一覧性があまりよくないからだ。
スタイルを適用したい場合、この状態だと3つしか表示されていない。下矢印でスクロールさせるか、[クイックスタイルギャラリー]を展開しなければならない |
たとえば複数の文章に次々とスタイルを設定したい場合、リボンだと、スタイルを設定したい文章を選択して[スタイル]の[クイックスタイルギャラリー]からスタイルを探してクリックし、また次の文章に移って、また[クイックスタイルギャラリー]からスタイルを探す、という手順が必要になる。ギャラリーをスクロールしたり、1回ごとにギャラリーを展開したり、という手間がかかるわけだ。
そうした手間を省く機能として[スタイルウィンドウ]が用意されている。これはWord 2003でも用意されていた画面の脇に小さく表示される作業ウィンドウで、これならば常時表示でき、一覧性も高い他、ビジュアルプレビューもないので、Word 2003に慣れている人や、内容をよく理解して手早く設定したい人には有効だろう。
[ダイアログ ボックス起動ツール]をクリックするか[Alt]+[Ctrl]+[Shift]+[S]キーで起動する[スタイルウィンドウ]。Word 2003と同様にフローティングウィンドウとして表示したり、ウィンドウの左右に固定したりすることも可能 |
スタイルセットで書式の一括変更
Word 2007では、[テーマ]のように、スタイルを一括して管理することも可能になっている。これは、[クイックスタイル]として設定されている各書式を1まとまりのセットとしたもので、[スタイルセット]と呼ばれる機能だ。
リボンの[スタイル]にある[スタイルの変更]→[スタイルセット]から利用でき、デフォルトでは11種類の[スタイルセット]が登録されている。デフォルトの[スタイルセット]では、本文となる[標準]や[見出し1][表題][斜体]などがそれぞれいろいろな書式で設定されており、これを切り替えることで、[テーマ]では切り替えられなかった部分までデザインを一括して変更できる。
[スタイルセット]で書式を切り替えてみたところ。左から[Word 2003][トラディショナル][モダン]。[テーマ]のように表のカラーや図のデザインは変わらないが、文字の書式がそれぞれ異なっているのが分かるだろう |
こちらも[テーマ]と同様に、文字のカラーとフォントについては別個に設定可能で、カラーは12種類、フォントは2種類の組み合わせで設定できる。