2007年1月30日、マイクロソフトのオフィススイート「the 2007 Microsoft Office System」の発売がついに開始された。新OS「Windows Vista」との同時発売で、マイクロソフトにとっては、1995年の「Windows 95」と「Office 95」以来という、OSとオフィススイートの同時発売だった。
当初「Office 12」という開発コード名で開発が続けられてきた2007 Office Systemだが、こうしてMicrosoft Officeの新製品が登場するのも、「Office 2003」の2003年以来、実に4年ぶりということで、マイクロソフトは非常に力を入れてこのOffice Systemを開発してきた。早期から情報提供を繰り返し、2度のベータテストを経て発売されたこの新Officeは、従来のOffice製品と比べても最大数の製品群が用意され、エンタープライズアプリケーションとの連携機能も強化。さらにいっそうの拡大を見せたのがこの2007 Office Systemだ。
日本市場に最初のOffice製品が投入されたのは、1993年の「Office 1.0」が始まりだ。WordやExcelはその前から存在していたが、初めてのオフィススイートが発売されたのはこの年だった。とはいえ、当初はWordとExcelが1パッケージ化されただけのもので、単体パッケージとして購入するよりはお買い得、というものだった(ちなみに、当時の価格は80,000円だった)。
その後、94年にOffice 1.5、Office 4.2、95年にOffice 4.3となり、同年Office 95が登場。順次内包するアプリケーションを増やしていき、前バージョンのOffice 2003まで9代まで重ねた。
14年というこれまでのOffice製品の歴史の中で、最初の大きな変革期は、Windows 95とともに出荷されたOffice 95だろう。いち早く32bit化され、それまでの低迷していたシェアを一気に拡大させ、現在まで続く独占的シェアの礎を築いたのがこのOffice 95だった。
ところがマイクロソフトは、次のOffice 97(97年)で大きな変更点を加える。それが新ファイルフォーマットとしてバイナリ形式のフォーマットを採用したことだ。このファイルフォーマットの変更は、その後Office 2003まで継続されることになった。この変更自体は、その後に続いていく高機能化のための布石となる変更で、大きな理由があったことだろう。ただ、このフォーマット変更は、Office 95が普及した後で、後方互換性を失ったことからユーザーに非常に大きな影響を及ぼした「事件」だった。
その後99年にOffice 2000、2001年にOffice XP、2003年にOffice 2003と2年ごとのバージョンアップとなったが、新OSの開発が難航するのと同様、それ以降新製品の登場がぴたりと止まってしまった。発売の延期もあったが、その間、もちろん開発が止まったわけではなく、今回登場した2007 Office Systemでは、Office 97以降、10年ぶりとなるファイルフォーマットの変更が行われ、さらにWord 1.0以来、初めてとなるユーザーインタフェースの刷新が実施されるという一大改革が行われている。