Office 2008 for Macには、Word / Excel / PowerPointに対応した、ファイルコンバート用Automatorアクションが収録されている。それぞれのアクションがサポートする変換元 / 変換先のファイルフォーマットは、表9のとおり。このアクションを利用すれば、Office 2008 for Macで作成した文書を旧バージョンのOfficeで開けるファイルに変換したり、旧バージョンのOfficeで作成した大量の文書をOffice 2008 for Mac標準のフォーマットに一括変換したりすることが可能だ。

表9: 「×××ファイルの形式を変換」アクションがサポートするファイルフォーマット

入力 出力
Excel .xlsx / .xls / .csv / .xlt / .xltx .xlsx / .xls / .xltx / .csv / .xml / PDF / .htm
Word .docx / .doc / .txt / .rtf / .htm / .html .docx / .dotx / .doc / .txt / .xml / PDF / .htm / .rtf
PowerPoint .pptx / .ppt / .ppsx / .pps / .xml .pptx / .ppt / .potx / .ppsx / .rtf / .pps / PDF

「Excelファイルの形式を変換」アクションを例に説明してみよう。このアクションは、表に挙げたファイルフォーマットを入力先(変換前)/ 出力先(変換後)として利用できるので、直前に「Finder項目の選択を求める」または「選択されたFinder項目を取得」アクションを配置すれば、Excel 2008標準形式のブックを、Excel 97~2004(Windows版Office 2007以前)に対応したファイル形式(.xls)へ一括変換するワークフローを作成できる。Word / PowerPoint用のアクションに置き換えれば、Word 97~2004、PowerPoint 97~2004にも対応させることが可能だ。

2つのアクションを組み合わせるだけで、Excelブックを変換する自動化ツールを作成できる

ユーザに変換対象のファイルを選ばせるワークフローも作成できる

;page;; Automatorワークフローを利用する

Office 2008 for Macには、90を超える数のAutomatorワークフローが同梱されている。利用する場合には、メニューバー右端のスクリプト → [Automatorワークフローサンプル]以下に表示されるメニューを選択しよう。ショートカットキーも設定されているので、利用頻度が高いワークフローに使うと便利だ。

ただし、スクリプトメニューはMac OS X 10.5 (10.5.5で動作確認済) では機能しない。システムが抱える不具合によるもので、Appleがシステムのアップデートを行わない限りは動作不能だ。Leopardユーザは、メニューバーから[スクリプト] → [このメニューについて...]を選択、現れたダイアログで[フォルダを開く]ボタンをクリックして、直接FinderウィンドウからAutomatorワークフローを実行しよう。

M@メニューバーにAutomatorスクリプトが表示されるが、機能しないので注意

Leopardユーザは、このダイアログからフォルダを開いてAutomatorスクリプトを実行する

一部機能が制限されたワークフローもある。Word 2008の「テキストをオーディオに変換し iPod に送信」と、Entourageの「メッセージテキストをオーディオに変換し iPod に送信」は、Mac OS Xが日本語テキストの読み上げに対応していないため、日本語文書には使用できない。