Microsoft Officeを選ぶ理由を尋ねれば、ユーザの多くが「誰に渡しても開いてもらえる可能性が高い」こと、つまり互換性の高さを口にするはず。それはMacユーザも同じで、特に日常の仕事のときには多数派のWindowsユーザに文書を渡すとき、開いてもらえるかどうか不安が残るものよりは確実なほうを選ぶ傾向にある。

WindowsユーザにOffice 2008 for Macで作成した文書を渡すときは、相手がMicrosoft Office 2007を利用しているかどうか、事前にヒアリングしておくことが必要だ。Office 2007ユーザの場合は、ほぼ完全といえるレベルの互換性を達しているため問題はないが、それ以前のMicrosoft Officeユーザの場合にはなんらかの手を打つ必要となる。以下に、具体的な対処策を示してみよう。

こちらが対処する

もっとも簡単な方法が、Office 2008 for Macユーザ側が対処する方法だ。Wordならば「Word 97-2004 文書 (.doc)」、Excelならば「Excel 97-2004 文書 (.xls)」、PowerPointならば「PowerPoint 97-2004 文書 (.ppt)」のフォーマットを保存時に選択すればいい。

互換性重視のフォーマットを選択すれば、"確実に開いてもらえるファイル"になる

ただし、互換性チェックで問題が発生することも。原則としてOffice 2008 for Macの新機能を用いた文書は、その部分を取り除くか、使用制限 (ex. SmartArtの編集ができない)を受け入れなければならないことにも、注意が必要だ。

また、Word / Excel / PowerPoint 97-2004文書として保存した時点で、Office 2008 for Mac文書としての特性が損なわれてしまうため、SmartArtなどの情報を残したい場合は、標準のフォーマット(.docx / .xlsx / .pptx)でもファイルを保存しておかなければならない。

相手に対処してもらう

ファイルを渡す相手に対処してもらう方法もある。相手がWindowsユーザの場合、Microsoftが無償配布しているアドイン「Word/Excel/PowerPoint 2007 ファイル形式用 Microsoft Office 互換機能パック」をインストールすれば、Windows版Office 2007およびOffice 2008 for Mac標準のフォーマット(.docx / .xlsx / .pptx)を直接開けるようになるのだ。Office 2008の最新機能は利用できないが、ファイル保存時にフォーマットを気にする必要がなくなるという利点がある。

相手がWindowsユーザの場合、互換機能パックをインストールしてもらうという手もある

ただし、互換機能パックが対応するWindows版Officeのバージョンは、2000とXP、2003の3種類。動作対象のシステムは、Windows 2000/XP/Server 2003だ。