パフォーマンスの向上も、ユーザとしては気になるところ。Office 2004も、Rosetta (Intel版のMac OS X 10.4以降に装備されているPowerPC → Intelバイナリトランスレート機能) の働きにより十分実用的な速度で動作するが、これに満足しないIntel Macユーザも多かったはず。Intelネイティブ対応が実現されれば、さらにキビキビ動くと予想されるからだ。
ユニバーサルバイナリ化により、Office 2008 for Macに収録されているすべてのアプリケーションは、PowerPC / Intel両アーキテクチャ上でネイティブの速度で動作するようになった。
Office 2004 for Macと明らかに異なるのは、システムのブート後最初にOfficeアプリを起動するときの速度。Officeアプリは、WordやExcelといったアプリケーション本体のほかに、多数の共有ライブラリをメモリ上に読み込むが、Intel MacではRosettaのバイナリトランスレーションが足かせになる。ユニバーサルバイナリ化によりRosettaは必要なくなったため、そのぶんIntel Macでは起動速度が改善されるというわけだ。
Intel Core 2 Duo 2.33GHzを搭載したMacBook Pro (メモリ2GB、Mac OS X 10.5.1) の環境を利用し、新旧のExcel / Word / PowerPointの起動速度を比較した結果が表3だ。Rosettaのバイナリトランスレーションは、システムのブート後最初に起動するとき特に時間を必要とするため、PowerPCバイナリのみ収録していたOffice 2004 for Macでは遅さが目立つ。ユニバーサルバイナリ化されたOffice 2008 for Macは、大規模な機能の追加があったにもかかわらず、起動速度が短くなっていることがわかるはずだ。
表3: 新旧Officeアプリケーションの起動速度(MacBook Pro 2.33GHzを使用)
アプリケーション | 初回起動時(他の起動後)にアイコンの跳ねる回数 | 秒数(初回) | 2回目以降 |
---|---|---|---|
Word 2008 | 8回(4回) | 20.11 | 3.85 |
Word 2004 | 16回(2回) | 23.78 | 5.57 |
Excel 2008 | 5回(2回) | 15.98 | 5.05 |
Excel 2004 | 13回(2回) | 25.32 | 5.83 |
PowerPoint 2008 | 5回(2回) | 20.15 | 5.81 |
PowerPoint 2004 | 10回(2回) | 20.69 | 5.36 |