駆け足ではあるが、ゲームを中心にRyzen 3/5について性能を確認してみた。テストしていた感想をまとめると、Ryzen 5 2400Gは、CPUとGPUのバランスも良く、そこそこのゲームなら外部GPUなしで十分プレイできる。CPU負荷がかかる作業にはあまり向いていないが、それはもう少し上のグレードのCPUと交換すれば良い話である。

少なくとも「普通のユーザー」が求める程度のニーズには十分に応えられる性能は確保しており、価格も安い。将来的なアップグレードを前提に、まずは安く上げたいというユーザーにも最適な製品ではないかと思う。

外部GPUも、今回はGeForce GTX 1080を持ってきたのでやや力不足が露呈したが、NVIDIAでいえばGeForce GTX 1070あたり、AMDならRaeon Vega 56あたりまでの製品と組み合わせる分にはそれほど力不足を感じることはないだろう。

一方のRyzen 3 2200Gは、性能的にちょっと物足りないレベルではある。もっともこれはCore i3-8350Kあたりと比較するから悪いのであって、恐らくCore i3-7350K(こっちは物理2コア)あたりと比較すると互角以上の性能を発揮すると思うので、比較対象次第ではある。

むしろ省電力性と価格の安さが本製品の魅力ともいえる。放熱の厳しいMini-ITXとかにはベストな製品ではないかと思う。

実は今回、うっかりCPUクーラーの電源ピンを刺さないまま30時間ほど運用してしまった(当然動作周波数は猛烈に下がり、異様にベンチマークの結果が悪化して、それでやっと気づいた次第。もちろん全部データは取り直した)が、それでも熱暴走もせずに動いたのは素直に賞賛に値すると思う。

ファンを動かさないWraith Stealthの放熱能力がどの程度かは不明だが、ベンチマークの結果から言えば恐らく動作周波数を半分~1/3程度に落として動いていたようだ。

もちろんベンチの結果はひどいのだが、Windows上でのオペレーションそのものは全く支障がなかった。省電力マシンとかファンレスマシンにチャレンジするのに、格好の題材になるのではないかと思う。

というわけで、AM4の導入を考えている人には非常に良いソリューションになるだろうというのが筆者の見解である。特にこのところIntelがハイパワー・ハイパフォーマンス・ハイコスト路線に突っ走っているので、低電力消費でコスパ重視という製品が登場したのは、非常に喜ばしいと思う。