全機種国際ローミング対応

905iシリーズは、8機種で3G(W-CDMA方式)とGSM方式の国際ローミングに、2機種で3Gの国際ローミングに対応、全機種が海外でそのまま利用できるようになった。3Gのみの国際ローミングとなるのはP905iTV、SH905iTVの2機種。同じパナソニック モバイルコミュニケーションズのP905i、シャープのSH905iは3G+GSMの国際ローミングに対応している。

GSMをサポートしている機種は、日本人の渡航先の99.8%をカバーする155の国と地域で通話が行える。iモードに関しても同98.8%となる106の国と地域で利用できるようになる。海外でも約4,000の日本語サイトが閲覧できるほか、海外で役に立つ便利サイトも充実している。

国際ローミング対応地域

これまでドコモの国際ローミングでは、主に3Gローミングをサポートしていた。もともと国際ローミングは3Gのメリットのひとつとして挙げられており、海外でも3Gが広まれば良かったのだろうが、北米や中南米、東欧、アフリカなどでは3Gが使えないエリアがまだまだ多く、利用できる地域が限られていた。

それに対して、日本と韓国を除くほとんどの国と地域で利用できるGSMは、NECの「SIMPURE N(N600i)」を除くとLG電子やモトローラといった海外メーカーの端末のみで、選択できる機種は限られていた。

905iシリーズですでに発売している7機種は、すべてがGSMをサポートする。海外によく行くユーザーであれば、国内で使っている端末をそのまま現地でも利用できるようになり、より利便性が向上する。国際ローミングの選択肢が急増したことは、905iシリーズのメリットのひとつだ。

海外でも、通話だけでなくiモードサイトの閲覧やiモードメールの利用が可能な点もうれしい。国際ローミング中のiモードの利用には、iMenuからオプション設定を行っておく必要がある。この設定を行う場合、国内ではパケット通信料が無料なので、海外へ出かける前に設定しておいた方がいい。

とはいえ、海外でのiモード利用のパケット通信料は高額になりがちな上、パケット定額制「パケ・ホーダイ」の適用外になるので注意が必要だ。iチャネルは、国際ローミング中に最初の1回だけ自動更新が行われ(その後は自動更新はしない)、その1回分のパケット通信料も必要となるので、事前に国内で自動更新オフの設定にしておくよう、iチャネルユーザーは注意をしておきたい。設定で自動更新をオンにすることも可能だ。

ちなみに、現在地周辺の天気予報や店舗情報などを提供するiエリアの海外利用も開始される予定で、2月からは約20の国と地域で提供開始予定となっている。

便利な「しゃべって翻訳」

F905i/SO905i/SO905iCSを除く7機種に搭載された翻訳アプリ「しゃべって翻訳」が面白い。これは、日本語から英語、英語から日本語の翻訳が行えるiアプリで、電話のマイクに向かって話すだけで、それぞれ翻訳してくれるという優れものだ。

基本的には海外旅行を想定したもののようだが、「旅行会話一般」「観光ショッピング」「空港施設」「レストラン」というシーンを選択し、あとはマイクに向かって話せば自動的に翻訳してくれる。

しゃべって翻訳アプリ

まずはシーンを選択

実際に試してみると、日本語の認識率はかなり高い。最初はゆっくりはっきりと話すようにしてみたが、意外に普通の会話感覚で話してみても認識、翻訳してくれる。英語に関してはネイティブではないのでちょっと何とも言えないが、ゆっくり、日本語的な発音で話してみたところ、きちんと英語から日本語に翻訳できたので驚いた。

実際に翻訳したところ。筆者の滑舌のせいか、たとえば「おいしいレストランはありますか?」と「おいしいレストランを探しているのですが」のように、「か」と「が」が区別できない場合があった。手入力で修正することもできるので大きな問題にはならないだろう

こちらは英語をしゃべって日本語翻訳したところ。一語ずつ区切って発音したところ日本語英語の発音でも翻訳された。ネイティブの早口のような発音がきちんと翻訳されるかは分からない

登録単語は7万語なので、あらゆるシーンで完ぺきな翻訳結果が示されるかどうかは分からないが、それでも手軽に翻訳できるので十分役に立つと思われる。初回起動時から60日間は無料で全機能が使え、その後は空港施設、レストランでの文章のみに対応する機能限定版になる。会員登録することで再び全機能が利用可能だ。

ちょっと面白いのがこの「依頼画面」。この画面を外国人の相手に見せ、自ら翻訳してもらうように依頼できる。携帯の画面を仲介して会話をする、という不思議な状況になるが、必要に迫られた場合には特に便利だろう

最大の難点は、翻訳のためには通信が必要という点。おそらく、音声認識・翻訳エンジンをサーバー側に持っているためと考えられるが、パケ・ホーダイが適用されない海外での利用の場合に、むやみに使っているとパケット料金が高額になってしまう可能性がある。とはいえ、英語が苦手な人にとってはかなり便利なツールだろう。