ここから内部解析編に。まずはRMMTである。
今回、Core i7-8700KとCore i9-9900Kでは、タスクマネージャの「関係性の設定」を使い、1コアあたり1スレッドのみをRMMTに割り当てている。このため、Core i7-9700KとCore i9-9900Kでは事実上、動作周波数が1bin異なるだけ、という結果であり、結果もこれを反映している。
最初にRead(グラフ38)。こちらはコアあたりのRead性能(≒各コアの出すLoad Requestの頻度)が反映されるようではある。ただそれが一番顕著なのは2Threadあたりまでで、3Thread以降はしだいに下がってゆくのは、Memory ControllerのRead Queueが飽和するためと思われる。また飽和しきった状態での帯域は36GB/sec程度と共通しており、コントローラそのものには手が入っていないと想像される。
これはWrite(グラフ39)も同じで、2Threadまでは明確に差があるが、そのあとはCore i7-8700Kと第9世代製品の差がまったくなくなっている。こちらもWrite Queueが3Threadあたりから飽和していると考えられるほか、ReadよりWriteのほうが遅い(これはDRAMの基本的な問題)関係で、より早くQueueが詰まりやすいことと無縁ではないだろう。まぁQueueを増やしても詰まることに変わりはないが。とはいえ、条件が良ければReadで42.5GB/sec、Writeで26.5GB/secという高いスループットを出せるのは、コアの動作周波数を引き上げたためと思われる。