――season2が最初に発表された時、「ジュブナイル恋愛ストーリー」という触れ込みだったので、意外な印象を受けました。作品を拝見すると、恋愛らしい恋愛という描かれ方ではないですよね。
恋愛ではないかもしれないけど、やっぱり「ボーイミーツガール」なんですよね、これは。理屈じゃないところってあるじゃないですか。理屈で言うと、千翼は食人衝動が非常に激しく、歩く死体だからイユには食人衝動を感じないので、唯一人間として触れ合える存在であるからイユに依存する、ということになる。
それは理屈だし、確かにそうなんだけれども、観客にとってはそんな理屈はどうでもよくって、単純に惹かれる。少年が少女に惹かれるというふうに見えないとアカンわけじゃないですか。古典的な「ボーイミーツガール」は、市井の少年がお姫様に惹かれ……「スター・ウォーズ」なんかもそうですよね。それは貧乏だから、お姫さまをゲットすれば逆玉かなあみたいな。そういう理屈はもしかしたらあるのかもしれないけど、そうじゃなくって純粋に憧れるということが物語を駆動する原理として必要なので。
まあ今回はそれがきれいできらびやかなお姫様ではなく、どちらかというとボロを身にまとった髪の毛もボサボサの、ある種魔女みたいな女の子。不思議な魅力を放つイユであるというのはなかなかできることじゃないと思いますね。
――season1からのつながりというところでいくと、仁さんがああいう状態で登場するとは……と予想外だったのですが、あれは最初から構成で決まっていたことなのですか?
あれは構成じゃないとできないですね。
――もう一つ拝見していて、配信だからこそというところなのかもしれませんが、次の回への引っ張り方もうまい印象がありました。あれも仕掛けとしてやっていこうと狙ったところだったのでしょうか。
season1の影響ですよね。我々自身がすごくおもしろかったので。先々知っているはずなのに、「おまえは誰だ!?」と流れてくると「おい! ここで次に続くのかよ」ってなる。ああいう見心地って、『アマゾンズ』という作品のキーなのかなって。次が楽しみになる。知ってるはずなのに、楽しみになるんです。「どうなるんだ!?」って。