――配信先との関連付けも容易なことから、SNSを使って仕掛けようといった組み合わせで考えることはありますか。

SNSは、もともとそのジャンルに興味がある人にしかリンクしない仕組みなので、そこから広がるとは考えづらいですね。SNSで情報は広がらないというのが見えてしまった。ある程度普及したらみんな面倒になったんですよ。自分のタイムラインを広げようとしない、情報の取捨選択をしていこうという時に、大量に情報がくると自分はブロックするなと思うんです。宣伝となったらなおさらではないかな。あくまでも身内で盛り上がるツールであり、宣伝のツールではない気がする。

――撮影としては、ニチアサの『仮面ライダーエグゼイド』と並行して行われたわけですが、『アマゾンズ』と『エグゼイド』で違いはありましたか?

比べることはあまりいいことではないのかもしれませんが、『アマゾンズ』のスタッフ・キャストは『アマゾンズ』というワールドを大事にして、個々のキャラクターを掘り下げていくことを大切にしている。

ニチアサは作品性ということよりは、いい意味で「みんなで明るく盛り上げていく」という感覚が強いような気がしますね。『エグゼイド』なら『エグゼイド』を一つのきっかけとしてみんなで盛り上がっていこうという方向に向かっている。それはテレビという"広げていくメディア"と、配信という"掘り下げていくメディア"の違いなのか、単に作品性の違いなのかはわからないですけれども。

――客観的にはオリジナルの挑戦的な作品のフィールドは配信に移っている印象があります。

テレビってもともといい加減なメディアだったのが、すごくちゃんとしてきちゃって、堅苦しくなった。しっかりとした原作があるか、しっかりした作家が支えていないとドラマというものが作れなくなっていますよね。そこからワーっと配信に逃げだしてきているというところはあるのかもしれませんけど、とはいえ配信作品を作っているのも、ちゃんとした作家・演出家で、作る会社もちゃんとしていて、びっくりするような大きなプロジェクトもあったりするじゃないですか。そういう意味ではテレビと違うありようだけれども、だんだん堅苦しくなっていっているような気もしなくもないですよね。

もっとユルいというんですかね。バラエティに近い感覚でライトに見られるものがあってもいい。深夜とか朝だったらこういうものでいいやくらいの、いい加減なものはないかなと思うんですけど……。むしろそういうものの方が、オリジナリティは出やすい気がしますね。

――配信はテレビよりも作りやすいというところはありますか?

制約がなくていいなと周りから言われることはあるんですけど、別の制約があるというか、逃げ道がないんですよね。縛りはないというかやっちゃいけないことはないので、よくいえば作家性とかが出やすいところではあるんですけど。ただ逆にそのぶん問われるわけじゃないですか、人のせいにできないというか「しょうがないんだよ」って言えない。特に脚本家はつらかったろうなと。