視覚面では「タブグループ」の機能向上がポイントだ。同機能はある条件を用いて関連するタブを自動的に色分けし、同一グループのタブをまとめて閉じるなどの操作を実現するというもの。コンテキストメニューにある<このタブをグループ解除>を選ぶと、現在のタブ(閲覧中のWebページ)をタブグループから取り除き、単独色に切り替えることが可能。そのため、調べ物に必要なWebページが見つかったら、そのタブ(Webページ)だけをグループから取り除き、それまで検索などに用いたWebページを閉じるといった操作も行なえる。一見すると地味な機能だが、複数のWebページを開いて相互的に情報を調べるユーザーには使い勝手のよい機能となるだろう(図506~507)。

図506: 検索サイトやサイト内リンクなどを別タブで開くと、自動的に色分けするタブグループ機能。一度に複数のWebページを開くユーザーにお薦めの機能だ

図507: タブの<×>ボタンもしくはコンテキストメニューの<このタブグループを閉じる>をクリックすると、同配色のタブがまとめて閉じられる

最後は履歴など個人情報を残さずWebブラウジングできる「InPrivate」。Cookieやインターネット一時ファイル、Webブラウズ履歴、ユーザー名/パスワードを含むフォームデータを、Internet Explorer 8終了時に破棄するという機能だ。一見すると個人情報の漏洩を高める便利な機能に見えるが、有効時にはツールバーおよびアドオン機能が無効になるため不便を強いられることも。その際は、設定ダイアログから、ツールバーや拡張(アドオン)機能の有無を制御する設定項目を無効にするとよい。また、Cookieをはじめとする情報をコンピュータに保存しないと正しく表示されないWebサイト向けには、個別ブロックの解除を行なうInPrivateフィルタ機能を併用する。普段はInPrivateモードで防御し、一部のコンテンツだけ正しく表示させたい場合に使用すると便利だ(図508~513)。

図508: InPrivate機能を有効にするには、タスクボタンを右クリックし、ジャンプリストから<InPrivateブラウズを開始する>をクリックするか、起動中のInternet Explorerにある<セーフティ>メニューから<InPrivateブラウズ>をクリックする

図509: 別ウィンドウのInternet Explorer 8が起動し、InPrivateモードを示す同名のアイコンがアドレスバーの先頭に表示される

図510: Cookieや履歴などの情報を必要とするコンテンツは表示できず、一部のツールバーやアドオンも無効になる

図511: 「インターネットオプション」ダイアログの<プライバシー>タブには、InPrivateモード時のツールバー、アドオンの無効化を解除する項目が用意されている。必要な場合は同項目を無効にすればよい

図512: <セーフティ>メニューから<InPrivateフィルター>を選択すると、最初にInPrivateフィルタの有無を選択可能。ちなみに初期状態では無効になっている

図513: <セーフティ>メニューから<InPrivateフィルター設定>を選択すると、ブロック対象となるコンテンツの取捨選択が可能になる