ウィンドウのリサイズを素早く行なう「Aero Snap」

まず「Aero Snap(スナップ)」は、ウィンドウサイズの変更や配置を、できるだけ簡単に済ませるため開発された機能だ。Microsoftのユーザーフィードバックを元にしたレポートによると、Windows OSの操作で困るのが、ファイルやフォルダのコピーや移動といったドラッグ&ドロップ時の操作。Windows OSのGUI操作に慣れたユーザーなら、ショートカットキーなどを駆使して素早いファイル操作を行なえるが、コンピュータ初心者にとってショートカットキーの併用はハードルが高く、コンピュータの基本であるファイル操作を難しい作業に仕立てあげてしまった。そこで2つのウィンドウを素早く左右に並べるための機能として生まれたのがAero Snapである。

フォルダを開いたエクスプローラをデスクトップ右端、もしくは左端にドラッグ&ドロップすると、デスクトップ半分の領域を用いて最大化表示するという機能だ。このようにフォルダを並べ合わせることで、初心者でもファイル操作がしやすくなる(図184~185)。

図184: 通常はこのようにウィンドウを並べて、ドラッグ&ドロップによるコピーなどを行なう。なお、Windows 7では、ファイル操作時のアクションがポップアップ表示されるようになった

図185: ウィンドウをデスクトップ左右にある端にドラッグ&ドロップすることで、最大化する。後はファイルをドラッグ&ドロップでコピーすればよい

中上級者がAero Snapから受ける恩恵はウィンドウのリサイズ機能だろう。前述のとおりウィンドウをデスクトップの端にドラッグ&ドロップすることで、デスクトップ半分を占めた最大化や完全な最大化、縦方向だけの最大化といったウィンドウリサイズを簡単に行なえる。特に縦方向だけの最大化は、ウィンドウサイズを縦方向に伸ばすことで作業効率が向上するWebブラウザやテキストエディタ、ワープロなどに最適だ(図186~188)。

図186: デスクトップ半分を占めた最大化の状態から、タイトルバーを下方向にドラッグすると、リサイズ前の状態に戻る

図187: ウィンドウをデスクトップ上端にドラッグすると、最大化表示となるフレームが表示され、ドロップするとウィンドウが最大化表示に切り替わる

図188: ウィンドウフレームを上端もしくは下端に拡大すると、横幅はそのままで縦方向のみの最大化表示が可能だ。なお、タイトルバーを下方向にドラッグすると、リサイズ前の状態に戻る

なお、Aero Snap機能を無効にすることもできる。コントロールパネルから「コンピューターの簡単操作センター」を起動し、一覧から「マウスを使いやすくします」をクリックして同名の画面に切り替わったら、「ウィンドウの管理を簡単にします」セクションにある<ウィンドウが画面の端に移動させたとき自動的に整列されないようにします>をクリックしてチェックを入れてから、<OK>ボタンをクリックする。これでウィンドウをデスクトップの端にドラッグしてもリサイズ後のフレームが表示されず、Aero Snapによるリサイズが無効になる(図189~192)。

図189: コントロールパネルから「コンピュータの簡単操作」をクリックし、続いて「コンピューターの簡単操作センター」をクリック

図190: 一覧から「マウスを使いやすくします」をクリックする

図191: 「ウィンドウの管理を簡単にします」セクションにある<ウィンドウが画面の端に移動させたとき自動的に整列されないようにします>にチェックを入れてから<OK>ボタンをクリック

図192: これでAero Snap機能が無効になり、デスクトップの端にウィンドウをドラッグしてもリサイズ後のフレームが表示されなくなる