以上で、Windows Virtual PCのゲストOSに対する設定項目を終えるが、最後に独自のゲストOSを作成する手順を解説しよう。もっとも難しい操作は必要なく、「仮想マシン」フォルダにある<仮想マシンの作成>ボタンをクリックすると、ウィザードが起動する。後は前述した内容を元に設定を進めていけばよい。ゲストOSの起動も仮想マシンファイルをダブルクリックするだけだ。この際インストールメディアが物理的なDVDであれば、DVDドライブに挿入するだけだが、ISOイメージファイルの場合は設定ダイアログを開き、同ファイルの選択が必要となる。ちなみにゲストOSとして使用できるOSは、以下のとおり。

  • Windows XP Windows XP Professional Service Pack 3
  • Windows Vista Business/Enterprise/Ultimate Service Pack 1
  • Windows 7 Professional/Enterprise/Ultimate

ただし、Windows XP Modeと異なり、ゲストOSとして使用するOS自身のライセンスが必要となるので、扱いには注意して欲しい。また、上記のサポートされるゲストOSはすべて32ビット版のみ。64ビット版Windows OSのインストールを試みると、ハードウェアが対応していない旨のエラーメッセージが表示されてしまう(図622~628)。

図622: 「仮想マシン」フォルダを開き、ツールバーの<仮想マシンの作成>ボタンをクリックすると、ウィザードが起動する。仮想マシン名を入力して<次へ>ボタンをクリック

図623: ゲストOSに割り当てるメモリサイズやネットワークの有無を選択。設定を終えたら<次へ>ボタンをクリック

図624: 仮想HDDファイルの作成は初期状態のまま進めると動的な種類となる。<作成>ボタンをクリックすれば作業完了だ。ちなみに、異なる形式で作成する場合は<詳細オプションを使用して仮想ハードディスクを作成する>を選択して<作成>ボタンをクリックする

図625: 仮想マシンファイルを右クリックし、メニューから<設定>をクリックする

図626: ISOイメージファイルを用いてOSをインストールする場合は、「DVDドライブ」セクションを開き、<ISOイメージファイルを開く>をクリックしてから、<参照>ボタンでISOイメージファイルを選択する。設定後は<OK>ボタンをクリック

図627: 後は作成した仮想マシンファイルをダブルクリックすれば、OSのインストーラーが起動する

図628: 導入できるのは32ビット版だけであり、64ビット版OSは未対応となる