『FINAL FANTASY XVI』(スクウェア・エニックス)
【登壇者】
メインディレクター 髙井浩氏
クリエイティブディレクター&原作・脚本 前廣和豊氏
――今回、「GRAND AWARD」を受賞されましたが、作品のどのような点が評価されたとお考えでしょうか。
髙井氏:世界観やストーリーにこだわりぬいて作りました。その結果、心が揺さぶられるような体験をしていただけたのではないでしょうか。また、召喚獣合戦でもユーザーに驚きを与えられたのかなと思います。
――制作において大事にしたポリシーをお聞かせください。
前廣氏:一度コントローラーを持ったらクリアするまで離したくなくなるほど、世界観に没入してもらうことを大事にしています。また、ゲームデザイン、ストーリーをはじめ、細かいところまでストレスがないよう作りました。これだけたくさんのコンテンツがあると、ちょっと違和感があるだけですぐほかのゲームに向いてしまう可能性がありますからね。
――「ファイナルファンタジー」シリーズのナンバリングタイトルとして世界的にも注目されていたと思いますが、プレッシャーはありましたか? 発売前後でどう感じていたか教えてください。
髙井氏:スクウェア・エニックスとして大きなナンバリングタイトルですから、少なからずプレッシャーもありましたが、開発中はそこまで感じてはいませんでした。いよいよリリースが近づき、メディアのみなさんとお会いする機会が増えてきたあたりから、だんだん心臓がバクバクしてきて、リリース日には寝れないほど緊張しました。
体験版をリリースしたときは評判が良くて安心したんですが、評判が良すぎて「このままいかないだろ」という逆の不安が出てきましたね。多くの方にプレイしてもらって、賛否両論ありながらも世界中の人からよかったと言ってもらえてようやくひと安心しました。
――ゲーム内の用語をいつでも確認できる機能「アクティブタイムロア」の実装は大変だったかと思うのですが、苦労した点とやってよかったと思えた反響があれば教えてください。
前廣氏:メインストーリーでは2,000くらいシナリオの区切りがあります。それぞれ、プレイヤーが何を求めていて、どういう情報を提供すれば物語をより深く理解してくれるか、全部手作業で実装しました。テキストもひと呼吸で読めるくらいに調整したので、とても苦労しました。
ただ、発売後に「物語の理解が深まった」という声をいただいて、やってよかったと思うものの、あまりに手作業なので二度とやりたくないです(笑)。
――2種類のDLCが発表されていますが、目指しているものやユーザーにどんな体験を提供したいかなど、可能な範囲で教えてください。
髙井氏:『FF16』の世界をより詳しく知っていただける内容です。2つのエピソードはクライヴの物語に組み込まれる形になりますが、隠された闇の部分や謎を体験できるコンテンツとして、新たな強敵や、戦闘を楽しむための要素とともにお届けできる内容になっています。楽しみにお待ちください。