また、PCで起動できるアプリケーションを管理する「AppLocker」も搭載。特定のユーザーに特定のアプリケーションを使わせない、といった設定も可能だ。
Windows 7上でWindows XPのアプリケーションを動作させるWindows XP Modeは、Internet Explorer 6のように、Vistaで動作しないアプリケーションが必要な場合に有効。コンシューマーでも利用できるが、基本的には企業でどうしても古いアプリを使わなければいけないときに利用することが想定されている。
サーバー上の仮想OSに接続して利用する仮想デスクトップの扱いも強化されており、「VDI(Virtual Desktop Infrastructure)」ではRemote Desktop Protocol(RDP) 7.0をサポートし、仮想デスクトップでもマルチモニタや音声、DirectXなどをサポートするなど、より使い勝手が向上した。
OSが利用するDLLをアプリケーションが更新してしまって発生する障害DLL Hellや、レジストリへの書き込みが繰り返されることで問題が起きるRegistry Pollutionといった問題に対しては、仮想化環境でアプリケーションをインストールするMDOPの1機能「App-V」を使うことで、こういった問題に対処できるようになっている。
東條氏によれば、こういったWindows 7 Enterpriseの標準機能によって、他社のソリューションを導入することに比べて1年間の運用コストは3割程度削減できるという。BitLockerについては、他社製品を使う場合に比べて年間6割のコストが削減できるという試算もあるそうだ。
Windows 7は、互換性に注力しながら、パフォーマンスや機能を大幅に向上させたOSとして、マイクロソフトは強い自信を示している。今年中には、その新OSを正式に利用できるようになる見込みだ。