「Armory Crate」の最適設定を探る

ここからROG ZEPHYRUS S GX701GXRのパフォーマンスをチェックしていこう。今回は対抗できるハイエンドノートPCの入手が難しかったため、特に比較対象を設けずに進めることとする。

CINEBENCH R20

まずはCPUの馬力を見る「CINEBENCH R20」からスタートだ。ここではデフォルトの「バランス」+「Optimus」設定と、Armory Crateで選択できる「Turbo」+「Discrete Graphics」設定で差が出るか試してみる。

  • 「CINEBENCH R20」のスコア

TurboモードにするとPower Limitが引き上げられるため、スコアも上昇するのは当然の話。少しでも処理時間を短くしたいときにTurboモードは有効といえるだろう。CINEBENCH R20はGPUを全く使わないので、「3DMark」のスコアもチェックしてみよう。

3DMark

  • 「3DMark」のスコア

GeForce RTX 2080はDXRに対応するため、レイトレーシングを利用するテスト「Port Royal」を検証に含めた。確かにTurbo+Discrete Graphicsにすることでスコアは上昇するが、スコア上昇分はバランス設定時の3~4%増しといったところ。物理演算テストなどでCPUパワーが直接効いてくるシーンはあるものの、全体のスコアアップには大きな影響はないようだ。ちなみにTurbo+OptimusだとTurbo+Discrete Graphicsより低い値となるが、その差は極めて小さい(せいぜい10~40ポイント程度)。

漆黒のヴィランズ - ファイナルファンタジーXIV

もう一つ「ファイナルファンタジーXIV」の最新公式ベンチマーク「漆黒のヴィランズ」版を試してみよう。FF14ベンチもCPUクロックがスコアアップに繋がることを経験的に知っている人が多いと思うが、3DMarkと違った傾向になるだろうか? 解像度はフルHD(以降同じ)、画質は「最高品質」とした。スコアの他に最低fpsと平均fpsも比較する。

  • 「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」のスコア

  • 「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」のフレームレート

スコアだけを見れば、Turbo+Discrete Graphicsの効果はあったといえる。3DMarkと同様に4%程度のゲインが確保できた。だがフレームレートで見るとTurboの効果は思ったほど大きくない。最低fpsが1だけ上がったはいいが、平均fpsとしてはほとんど変わっていない。負荷が長期間に渡るとPower Limitの限界になりクロックがバランス設定時と大差なくなるからと推察される。普通にゲームを遊ぶならバランス設定で十分だろう。

実際にROG ZEPHYRUS S GX701GXRを運用するなら、バランス設定は変えずに、G-Syncを使うためにDiscrete Graphicsモードにするのがベストだ。以降のテストは全てバランス+Discrete Graphics設定で検証するとしよう。