ではROG ZEPHYRUS S GX701GXRの内部構成に目を向けてみよう。CPUは6コア12スレッドの「Core i7-9750H」。スペック上はブースト時最大4.5GHzとなっているが、薄型設計ゆえそれほどブーストは持続しない。ただ後述するパフォーマンス設定を変更することでブースト状態を短時間なら延ばすことは可能だ。動画のエンコード処理のように少々クロックが落ちてもコア数が多い方が有利な処理にはうってつけのCPUといえる。

  • 「CPU-Z」で拾った搭載CPUの情報。右下に記載された6コア12スレッド表示に注目

またメモリは標準装備で32GBと文句なし。ストレージのM.2 NVMe SSDオンリーという構成が潔い。米国仕様のストレージ構成は512GB×2または1TB×1が選択可能だが、国内仕様は1TB一発の構成となった。GeForce RTX 2080に見合った重量級ゲームはそれなりに容量がかさむので、1TBがスタートラインなのは非常に頼もしい。2.5インチベイは一切ないようなので、容量が足りなければUSB3.1に高速な外付けドライブを接続するのが手軽だろう。

  • こちらも「CPU-Z」による搭載メモリの情報。容量は32GB、DDR4-2666が使われている

  • 「CrystalDiskInfo」でテスト機に組み込まれていたSSDをチェック。型番からするとインテル「SSD 760p」の1TB版のようだ

ゲーマーにもクリエイターにも響く液晶

ROG ZEPHYRUS S GX701GXRの一番の売りは液晶のスペックだ。17.3インチでスリムベゼル、その上リフレッシュレートは144Hz、応答速度3msという超高スペックなパネルが使われている。パネル解像度はフルHDで、ここはもうワンランク上(WQHDなど)を求めたかったところ。だが、パネルの解像度とリフレッシュレートのどちらを優先させるべきか考えたとき、本機の立ち位置的にゲームプレイに有利なリフレッシュレートを選択した、という判断であれば賛同できる。

また、パネルは視野角の広いIPS方式であり、PANTONEカラー認証(PANTONE Validated)を取得した発色の良いパネルが採用されている。米国仕様ではHDR対応パネルとPANTONEカラー認証パネルの二通りが用意されているようだが、日本国内では後者に絞っての発売だ。ROG ZEPHYRUS S GX701GXRのパワーを写真や動画編集などのクリエイティブ用途にも使いたい人には、今回レビューしたPANTONEカラー認証取得済のパネルの方が好適だろう。

ゲーム利用において、リフレッシュレート144Hz液晶の威力は改めて言うまでもないが、特にeスポーツ要素の高いFPS/TPS系ゲームでは絶大な威力を発揮する。さらに「G-Sync」対応なのでティアリングやスタッタリングも抑制でき、フレームレート変動の激しいシーンでも画面表示の乱れやモタ付き感を解消してくれる。

  • 144Hz駆動&G-Syncに対応したIPS液晶。応答時間が3ms、解像度がフルHDなことだけが頂点級ではないが、画面の美しさは絶品