実際、「積極的にお金を落とす」「先進的なことに興味がある」というプレミアムユーザーが特にiPhoneに集中しているという話は随所で聞こえてくる。著名なところはApp Storeの有料アプリやIn-App Purchaseでのコンテンツへの有料課金だが、筆者が聞いている面白い事例が「航空会社のマイレージ上級会員」の話だ。

先日、モナコのWIMAやロンドンのNFCP GlobalといったNFC関連の国際会議で航空業界の関係者と話した際、「スカンジナビア航空とルフトハンザ航空のマイレージ会員が使うモバイルアプリの8割がiOS版」だというデータを聞いた。モバイルアプリで航空便の電子チケットを利用するようなユーザーはたいていマイレージ上級会員なわけで、iPhone普及率が2割前後というシェアの低い欧州での8割という数字は驚異的だ。

ルフトハンザ航空ではウェブサイトでモバイル搭乗券対応を謳う

スカンジナビア航空(SAS)の担当者であるLena Erneling Albers氏によれば、もともとはNFCを使った空港でのチェックインシステムを積極推進していたものの、iPhoneユーザーの多さから非NFCとPassbook対応を無視できず、こうしたユーザーのためのNFCステッカー配布を行ったという。NFCステッカーには会員個々のマイレージ番号が記録されており、タッチでゲートを通過できるようになっている。積極的に飛行機に乗る層をプレミアムユーザーだとすれば、そうした層はiPhoneに集中していることがわかる好例だ。