3DMark v1.2.362.0(グラフ23~28)
FutureMark
http://www.futuremark.com/
ここからは3Dを。まずは定番ということで、3DMarkの結果を示すが、ちょっと面白い結果になった。まずIceStorm(グラフ23~25)に関しては、GraphicsのスコアはZ97が高速だが、PhysicsではZ87の方が高速、トータルすると損得はやや微妙な感じである。
ところがCloudGate(グラフ26)では明確にZ97が高速、FireStrike(グラフ27と28)ではGraphicsは同等、PhysicsでZ97が高速、Combinedでは微妙にZ97の勝ちといったところ。
これは何でかということだが、Graphics Driverの挙動が変わったように思える。もともとIvyBridge以降では、GPUとCPUが1つのRIng Busを共有する形でMemory Controllerにアクセスするわけだが、新しいGraphics DriverではGPU→Memory Controllerの要求をCPU→Memory Controllerの要求よりも少しPriorityを高く取るような細工がなされているのではないかと思う。
こうなると、GPU負荷が軽い(=煩雑にGPU→Memoryの書き込みが発生する)ケースでは、GPUの性能そのものは上がる一方、物理計算を行っているCPUはMemory Access待ちが多く発生するからPhysicsのスコアは下がってもおかしくない。その一方でGPUの描画負荷が上がると、GPU→Memoryのアクセス頻度そのものは落ちるから、こうなるとCPUはフルに動けることになる。
CloudGateとかFireStrikeでPhysicsのスコアが大幅に伸びてるあたりは、そもそもGPU→Memory Controllerの転送に、例えばフレーム圧縮の様な技法を使うことでデータ量そのものを減らしている可能性もあり、すると絶対的なフレームレートが低いFireStrikeなどではRing Busの帯域が大きく空くことでPhysicsの性能がグンと伸びるが、IceStormではむしろ書き込み量を減らした分、よりフレームレートが上がって、むしろ圧迫するような感じに見えなくもない。
これはあくまでも筆者の推定であって、実際にこのような挙動をしているかどうかは確かではないが、何かしら性能改善に向けて努力した形跡は明確に見て取れる。