写真でじっくりと見る「Z97-DELUXE NFC&WLC」

さてそんな訳で、Haswell Updateといってもスペック上はあまり大きな違いが無い(というか、Minor Update)ので、主にマザーボードに関してチェックしてみる事にした。評価のために今回借用したのはASUSのスタンダードシリーズの中でもハイエンド製品であるZ97-Deluxe NFC&WLCである。

同社の9シリーズはスタンダードシリーズにSATA Expressスロット(Photo01)とM.2スロット(Photo02)を追加しているのが特徴である。以下、写真でマザーボードの様子を御紹介する(Photo03~34)。

Photo01:SATA Express I/Fが2つ用意されるが、これについては後述

Photo02:M.2スロットは1つのみ

Photo03:ヒートシンクはゴールドであるが、同社の8シリーズに比べてずっと控えめに抑えられており、黒のボードとの対比で落ち着いた色調となっている

Photo04:これは8シリーズからの継承でもあるが、VRMの裏面にもバックプレートが取り付けられ、ここからも放熱を行っている

Photo05:I/Fパネルはこんな具合。DisplayPortとMiniDisplayPort、HDMI、Audio/SPDIF、USB×10(うち3.0×6)、LAN×2という重厚な構成。MiniDisplayPortとUSB×4に挟まれた部分はWiFiのアンテナ取り付け部

Photo06:こちらはSATAポート。左のSATA Expressは下段がZ97に、上段はASMediaのSATAコントローラに繋がっている。これは右のSATAも同じで、左と中央の4ポートがZ97に、一番右の2ポートがASMediaのSATAコントローラにつながる

Photo07:CPUソケット周辺。VRMはZ87-Deluxeなどと同様の16+2 Phaseでの供給の模様

Photo08:ヒートシンクの形状を横から。かなり大振りのCPUクーラーでも干渉しにくそうな形状である

Photo09:Photo03で左下に当たる部分のアップ。M.2スロットの周囲に色々なチップが実装されている

Photo10:一際大きいのがASMediaのASM106SEだが、これはM.2/SATA Express向けのBridge Chipといわれている(メーカーサイトでは情報未公開)

Photo11:これはASUSのマザーではお馴染みTPU機能を提供するチップ

Photo12:SATA Expressコネクタのそばに小さなチップが3つ

Photo13:Photo12のチップはASMediaのM.2向けHigh Speed Data SwitchであるASM1467。M.2とSATA Express×2のそれぞれに1個づつ利用されている

Photo14:SATAコネクタの右脇(Photo02でいうと、Z97チップセットの丸いヒートシンク右下)に位置するASMediaのASM1074 USB 3.0 Controller。おそらくその脇にある、フロントパネル用USB 2.0/3.0ヘッダ用と思われる

Photo15:マザーボード下端。動作状況を示す7セグLEDは2桁になった(前世代のZ87-Deluxeは2+2桁)

Photo16:SuperI/Oは台湾NUVOTONのSuperI/OのNCT6791D。ASUSのマザーではよく見かけるが、専用品の様でメーカーには記載が無い

Photo17:Photo15のもうすこし下側はこんな感じ。フロントパネル用のUSB 2.0×4ポートの他、TPU/EPUスイッチやTPM用の拡張端子など、ASUSTeKのハイエンドマザーにはお馴染みの機能が満載。TPU_LED端子の左脇には外部用センサー端子も用意される

Photo08:ヒートシンクの形状を横から。かなり大振りのCPUクーラーでも干渉しにくそうな形状である

Photo19:まずアナログ/デジタルの信号ラインを分離、更に左右チャネルはレイヤを分離し、間にGND層を挟むことで信号干渉を防ぐという。4層基板だとちょっと難しい芸当だろう

Photo20:オーディオコンデンサの採用のほか、新たにポップノイズ防止回路を搭載

Photo21:そのオーディオ部。CRYSTAL SOUND 2とあるのがサウンドコントローラチップで、ノイズ対策にシールドが施されている。この周囲は贅沢に面積を取ってGNDを大きく取った配置になっているのがわかる

Photo22:そのオーディオ部の脇(Photo02で言うと、Audio用ジャックの左)にLANチップ×2が搭載される

Photo23:説明会の資料によると、競合としているのはKiller NICの模様

Photo24:小さいほうのチップはIntelのI218-V。I218-VはPHYのみで、MAC側はZ97に内蔵されている

Photo25:大きいほうのチップはIntel I211-AT。GbE接続のMAC/PHY一体型GbEコントローラである

Photo26:マザー中央部。Flash MemoryはWinbondのSPI Flashで、これをASUS独自のBIOS制御チップで管理している

Photo27:PCI Express x16スロットの1本目根元にASM1467が搭載されている

Photo28:2本のPCI Express x16スロットの切り替えは、ASM1480が2つ実装されている

Photo29:2本のPCI Express x16スロットの間に実装されているASM1187e。PCIe Gen2相当の1:7 PCIe Switch。流石にこれだけオンボードデバイスがあると、Z97から出る8レーンのPCI Expressでは不足するのであろう

Photo30:バックパネル用のコネクタ部を上から見た図。コントローラが2つ搭載されている

Photo31:USB 3.0ポートの裏にあるのはASM1042AE。2ポートのUSB 3.0 Hostである

Photo32:DisplayPort/HDMIの裏にあるのはレベルシフターのASM1442K。HDMI出力用と思われる

Photo33:DIMMスロットの横には、ASUSTeKの製品ではお馴染みのDigi+チップが搭載される。これはおそらくDIMM用のVRM制御用。他にCPUのVRMのそばにもDigi+チップが搭載されている

Photo34:チップ型番はASP1103

ちなみにThunderbolt I/Fは拡張カードの形で提供される(Photo35~37)。付属品はWi-Fiのアンテナ(Photo38,39)とNFCリーダー(Photo40,41)、Qi充電器(Photo42,43)などで、あとはSATAケーブルやSLIコネクタ、バックパネルなどとなる。

Photo35:Thunderboldを2ch出力できる。DisplayPort Inも2ポート用意されている

Photo36:裏面はこんな感じ。説明書によれば、マザーボードの一番下のPCI Express x16スロットに装着することが前提の模様

Photo37:搭載されていたのはThunderbolt 2に対応したDSL5520だった

Photo38:格納状態はこんな感じ。白いものは、アンテナ端子に巻かれた緩衝材

Photo39:利用時はこんな具合に中央部を180度ひねって、立てて使う

Photo40:NFC&WLCモデルにのみ付属する、NFCリーダー兼USB 3.0 2ポートHub。こういっては何だが、Z87-Deluxeに付属のものより大分形が洗練された

Photo41:裏面はこんな感じ

Photo42:Qiの充電器も付属する

Photo43:こちらは純粋に充電機能のみ。Qi対応の充電器は安いものでも2千円程度、NFCリーダーが5千円前後からで、それにUSB 3.0 Hubを加えたら1万円をちょっとオーバーするかもといったあたりで、NFC&WLC無しモデルとの価格差(1万円)を考えると、「まだこれらを持っていなければお徳」といったところか