Colorio PX-435A - 顔料4色のコンパクトなインクジェット複合機

Colorio PX-435A」(以下、PX-435X)は、コンパクトなボディが特徴のインクジェット複合機。文書や写真の印刷に加えコピーやスキャナ、無線LANなどの機能も搭載している。価格はオープンだが、実売価格は15,000円程度と手ごろな値段も魅力(2012年12月中旬時点)。インク構成が4色顔料である点が前述のEP-805AやEP-905Fと異なり、購入の際はここが大きな評価ポイントになるだろう。

シンプル機能で低価格がウリのインクジェット複合機「Colorio PX-435A」

■試用機の主な仕様 [製品名] PX-435A [インクシステム] 4色独立インクシステム(顔料Bk/C//M/Y) [プリント解像度] 最高5,760×1,440dpi [最小インク滴サイズ] 3pl [スキャン光学解像度] 1,200×2,400dpi  [最大用紙サイズ] A4 [FAX] なし [インタフェース] USB 2.0、IEEE802.11b/g/n対応無線LAN [本体サイズ/重量] W390×D300×H145mm/約4.2kg [店頭予想価格] 15,000円前後

シンプルな本体デザインと機能を備えたエントリーモデル

PX-435Aは、ミドルレンジやハイエンドの機種と比べて小さくて軽い。本体サイズはW390×D300×H145mmと非常にコンパクト。給紙は背面のシートフィーダで、給紙トレイを解放するにはさらに220mmの空きスペースが必要だが、狭い場所にも割とピッタリ収まるので設置に困ることはないだろう。

本体カラーはホワイトの1色で、ワンポイントにシルバーが使われている。重厚感より、かわいらしさを感じさせるデザインだ。操作パネルには1.44型の液晶モニタとボタン類を配置。タッチ非対応なのは覚えておこう。液晶モニタが小さいようにも感じるが、実際に見てみると文字も鮮明で見やすい。ただ、表示される情報量は少ないので、設定変更や機能選択時のボタン操作が多くなりがちで、やや手間がかかるように感じる。

操作パネルは角度調整が可能なチルト方式(写真左)。1.44型の液晶モニタは見やすいが、情報量は少ない

インタフェースは、PC接続用のUSB端子とメモリカードスロット。対応するメモリカードはメモリースティックDuo/PRO Duo、SD/SDHC/SDXCなどで、PCなしで写真の印刷が可能なダイレクトプリントに対応している。通信機能は無線LANのみで有線LANには対応していない。家庭ではUSB接続や無線LANで接続しているケースが多いため、有線LANがなくても大丈夫だろう。万が一、無線LANのトラブルが発生しても、USB接続でなんとかなる。

メモリカードスロットは本体前面に配置(写真左)。USB端子は本体背面だ(写真右)

使用するインクはブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色で、カートリッジを個別に交換できる独立タイプだ。PX-435A最大の特徴ともいえるのが、顔料インクを採用している点。水に強く滲みにくいため、文書をマーカーでなぞっても文字は鮮明なままだ。写真印刷では染料インクと比べて鮮明さや滑らかさに欠けるというデメリットもあるので、文書印刷が主体でたまに写真を印刷するという人に向いているだろう。

ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの独立タイプ4色顔料インクを使用

1,200×2,400dpiの光学解像度も、紙の原稿をスキャンするには十分

スキャナ機能は、原稿をガラス台の上に置いてスキャンするフラットベッド方式。天板部分はストッパーがないため、原稿台で作業を行うには天板を完全に開く必要がある。天板の幅は300mmなので、設置スペース上部に同程度の空間を確保しておきたい。

イメージセンサーは光学1,200×2,400dpiのCISだ。光学解像度が低く感じるかもしれないが、紙の原稿をスキャンするには十分。一般論だが、A4文書なら最大300dpi程度、L判のプリント写真なら最大600dpi程度でスキャンするのが1つの目安だ。

なお、ADFや自動両面機能、FAX機能は持たない。スペックもやや控えめだが、エントリーモデルとして価格、機能、性能のバランスは取れていると思う。

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