Colorio EP-905F - ADF+FAX搭載の全部入りフラッグシップ

「Colorio EP-905」シリーズは、2012年秋にリリースされたインクジェット複合機の最上位モデルだ。EP-805Aとの違いはADF搭載とスキャナ(イメージセンサー)の光学解像度が高い点。そのほかの機能については、ほぼ同じと考えていいだろう。ADFの容量は最大30枚で、自動両面読み取り対応なのも大きなポイントだ。

シリーズにはFAX機能なしの「Colorio EP-905A」とFAX機能対応の「Colorio EP-905F」の2種類が用意されている。ここでは、すべての機能を詰め込んだ「全部入り」のColorio EP-905F(以下、EP-905F)について、EP-805Aとの違いも踏まえながらレビューしよう。

ADFとFAX機能を搭載したフルスペックモデルのインクジェット複合機「Colorio EP-905F」

■試用機の主な仕様 [製品名] EP-905F [インクシステム] 6色独立インクシステム(染料Bk/C/LC/M/LM/Y) [プリント解像度] 最高5,760×1,440dpi [最小インク滴サイズ] 1.5pl [スキャン光学解像度] 4,800×4,800dpi [最大用紙サイズ] A4 [FAX] 搭載(G3対応) [インタフェース] USB 2.0、10BASE-T/100BASE-TX対応有線LAN、IEEE802.11b/g/n対応無線LAN、IrDA(赤外線通信) [本体サイズ/重量] W390×D339×H191mm/約8.7kg [店頭予想価格] 40,000円台中盤

Colorio EP-905Fの本体デザインと基本性能は?

まずはEP-905Fの外観を見てみよう。本体サイズはW390×D339×H191mm。2011年秋に発売されたColorio EP-904Fに比べ、約40%の小型化を実現している。同じ新モデルのColorio EP-805Aに比べると奥行きが2mmほど少ないが、高さは50mmほど大きい。これは天板部分にADFが配置されているためで、むしろADFを搭載していながら高さが200mm以内に収まっている点を評価したい。コンパクトなADF対応複合機を探している人にとって、有力な候補となるだろう。

天板部分に配置されたADFは、カバーを開けて使う。セット可能な枚数はA4用紙で最大30枚

天板を完全に開いた状態。設置に必要な高さは、本体も含めると510mm程度

本体カラーはブラックのみの1色だ。チルト可能な操作パネルも同じ作りで、フリック操作に対応した3.5型タッチディスプレイと「カンタンLEDナビ」機能を搭載している。

最大90度まで角度を調整できるチルト方式の操作パネル(写真左)。液晶モニタのホーム画面もEP-805Aと似ているが、FAX機能が用意されている(写真右)

インタフェース類としては、本体前面にUSB2.0端子とメモリカードスロットを用意。対応するメモリカードは、コンパクトフラッシュ、メモリースティック Duo/PRO Duo、SD/SDHC/SDXCなど。背面には電源コネクタとPC接続用のUSB端子、有線LAN端子、モジュラーケーブル接続コネクタ×2が用意されている。

メモリカードスロットはカバー下に配置。USBメモリを利用できるUSB端子は、本体前面の下部(写真左)。背面の右側には、有線LAN端子とモジュラーケーブル接続コネクタ×2、USB端子が並んでいる

スキャナの光学解像度は4,800×4,800dpiでセンサーはCIS方式。EP-805Aに比べて解像度が倍になっている。実際、ここまでの高解像度でスキャンすることはまずないが、非常に小さな文字が写った原稿を大きくデータ化したいときなど、役立つ場面はあるかもしれない。

使用するインクはブラック、シアン、ライトシアン、マゼンタ、ライトマゼンタ、イエローの6色独立タイプ。インクの種類が染料である点もEP-805Aと同じで、交換用のインクカートリッジも同じものだ。

6色構成の独立型インクシステムを採用

プリント解像度は最高5,760×1,440dpi。印刷機能についてもEP-805Aと同等なので、EP-805Aのページを参考にしていただきたい。

上段と下段それぞれに異なるサイズの用紙をセットできる2段カセット(写真左)。本体背面には手差し用の給紙トレイが用意されている(写真右)

そのほかの機能としては、自動両面機能や、無線LANに対応。ネットワークに接続することでクラウド上のデータを印刷したり、スマートフォンから写真や文書をプリントしたりできる。

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