パフォーマンス面でAndroid 3.0と3.1を比較する

冒頭でも少し触れたが、Android 3.0からAndroid 3.1への変更点の1つにパフォーマンス強化がある。NVIDIAによれば、Flash 10.3でのハードウェアアクセラレーション強化や、3Dグラフィックス描画における30%程度のパフォーマンス向上とのことだが、これはどの程度の効果が実際にあるのだろうか。今回、KDDIがauブランドで発売している「Motorola XOOM」をお借りすることができたので、今回はベンチマークと合わせて簡単な製品レビューを行ってみたい。

Android 3.1へのアップデート

原稿執筆時点でMotorola XOOMはAndroid 3.0がインストールされた状態で出荷が行われている。そのため、Android 3.1を利用するためにはOTA (Over The Air)によるソフトウェアアップデートが必要になる。米国では5月半ばから後半にかけて、日本ではau版XOOMが6月後半から順次Android 3.1のOTAアップデートの提供が開始されている。これまで、ローカライズの関係から日本だけアップデートの提供が遅いことが多かったが、1ヶ月程度のラグでアップデートが開始されるというのは非常に対応が早いといえるだろう。KDDIによれば、日本でのXOOMリリース時点からかなりGoogleなどと密接に開発を進めており、こうしたスピーディな対応が可能になっていると説明する。この点は大々的に評価したい。

さて実際のアップデートだが、設定メニューから直接ソフトウェアアップデートの有無をチェックしてもいいが、OTAの配布がすでに開始されている状態であれば、ホーム画面などを呼び出した際に一定間隔でその旨の通知メッセージが表示されるようになっている。アップデートには数十分から1時間程度かかるので、時間のあるときにじっくり作業するといいだろう。ダウンロードを選択し、ダウンロード終了後にインストールを選択すれば、何度か再起動を繰り返した後に自動的に作業は完了する。

Android 3.1における変更点はこれまで解説した通りだが、XOOMではそのほかいくつか特有の変更が施される。詳細はリリースノート(PDF) を参照してほしいが、箇条書きすると下記の通りとなる。

・ Wi-Fi接続での5GHz帯の利用が可能に
・ Bluetoothキーボードでのショートカットキーのサポート
・ Adobe Flash 10.3への対応
・ SDカードのサポート
・ ファイルマネージャの追加

ここでは主に3つめと4つめの項目に注目してみたい。Android 3.0対応端末として初めてXOOMが米国で発売された際、まだHoneycomb対応のFlash PlayerはAdobe Systemsからリリースされていなかった。Motorolaの説明によれば、Flashの導入はHoneycomb版が正式リリースされた後、自力でAndroid Marketからダウンロードして行ってほしいとのことだった。これはau版も同様で、製品の日本での販売タイミング的にはすでにHoneycomb版Flash Playerのリリース後だったが、OS標準ではFlash Playerは導入されていない。そのため、Flashを利用するページへとアクセスするとプラグインの導入を要求される。だがAndroid 3.1ではデフォルトでFlash Player 10.3が導入されており、こうしたメッセージを見ることはない。