キャプチャ画像は自動タグ付けして整理

前述のようにSnagitは、画像ファイルの整理機能も高い。Snagitでは、キャプチャした画像は直接削除しないかぎり、どんどんSnagitエディタに保存されていく。これが極めて使いが心地の良い操作感を提供してくれる。

フォルダに保存するというダイアログが毎回毎回出現することが、実は些細ながらもストレス要因なのだ!と、このソフトを利用した後には大いに感じてしまう。銀塩カメラでは気にしていたフィルムの枚数が、デジタルカメラとSDカードの容量増大により気にしなくて良くなったようなあの解放感に近い。

他のキャプチャソフトならただ保存していくだけだが、Snagitの違う点は、画像を保存すると同時にキャプチャ元のメタデータを参照して自動的タグ付けをしてくれるところ。この自動タグ付け機能もSnagitの特長の一つ。挿入されたタグは、Snagitエディタの右サイドの検索ウィンドウのタグの部分で確認できる(図53)。

図53 タグウィンドウ

これらの項目を選択すると中央のライブラリウィンドウにタグ付けられたキャプチャ画像がサムネイル表示される。Snagitでは、保存された画像をライブラリと呼ぶ。これらライブラリの呼び出しは、上記のタグ以外にも日付、保存フォルダからも可能だ。これらのリストは、Snagit以外で作成した画像も表示される。日付、保存フォルダでリストを閲覧したい場合は、検索ウィンドウの「日付」タブ、「保存フォルダ」タブをクリックすればよい。

フラグとアイコン

キャプチャ画像の整理には自動タグ付けの機能だけでなく、直接「フラグ」アイコンを割り当てたり、「キーワード」を定義できる。Snagitエディタの[タグ]タブをクリックすると左側に[キーワード]ブロック、中央に[フラグ]ブロック、右側に[詳細]ブロックが表示される。

キーワードを入力するには、左側の[キーワード]ブロックの入力欄にキーワードを入力できる。キーワードは、スペースで区切って複数定義も可能だ。フラグは、[フラグ]ブロック内のアイコンマークの中から適切なものを選択する。フラグは、複数選択できる(図54)。キーワードを入力すると左側の検索ウィンドウの「タグ」タブ内のキーワード欄に入力したキーワードが表示される(図55)。

図54 キーワードを入力し、フラグを割り当てる

図55 追加されたキーワードとフラグ

実際にこの機能を使って思うことは、キーワードやタグ付けがスムーズに行える点。底部にあるオープンキャプチャトレイからサムネイルをワンクリックで選択し、そのまま広いキーワードブロック欄に入力。そのまま次のサムネイルを選択して再びキーワードを入力としていて気づくのだが、入力確定のためのマウスクリックやEnterキーの押下が必要ない。このワンクリックの省略が操作性の良さを演出している。

キャプチャ画像の保存とデータ転送

Snagitでキャプチャした画像は、Snagitエディタからしかアクセスさせない設計になっている。「キャプチャ」→「加工」→「管理」までの一連の流れを独自の設計でユーザーに使い方を提案している。実際にソフトウェア自体の操作感もいわゆる軽い感じを受ける。もちろん、これらキャプチャ画像は簡単に汎用フォーマットへと書き出せる。

方法は、ただキャプチャ画像を「ファイル」として保存すること。保存方法は、Snagitエディタ一番左上のアイコンマークをクリックすると基本メニューが表示されるので、その中から[名前を付けて保存]→[標準形式]でJPEGやPNGなどのファイル形式画像を保存することができる(図56)。通常の標準形式以外にもPDFやSWF方式にも対応している。

図56 [名前を付けて保存]でデータを保存することで各種フォーマットで書き出す

キャプチャ画像をアプリケーションに転送

操作性という点では、他のアプリケーションとの連携にも触れておきたい。Snagitではファイルに保存する以外に、電子メール、FTP、Excel、Wordといったプログラムなどにデータを出力することができる。出力は、Snagitエディタで一つずつ指定することもできるし、最初のキャプチャの段階でプロファイルから指定することもできる。プロファイで指定する場合は、Snagitウィンドウを開き、[プロファイル設定]の中の[出力]から任意の出力先を指定する。ここでは、[Word]を指定する(図57)。

図57 [プロファイル設定]→[出力]→[Word]

後は、通常と同じようにキャプチャすればよい。キャプチャが終了するとSnagitエディタが起動するので[プロファイルの終了]ボタンをクリックする。Wordが起動してキャプチャした画像が貼り付けれる。ここから先は、同じWordファイルに連続して貼り付けられる(図58)。同じ要領で、電子メールやExcel、PowerPointにもキャプチャ画像を貼り付けることができる。

これら連携機能は業務や趣味にと大きく効率化に貢献する。チュートリアルや社内資料作成に数百枚のキャプチャ画像を利用しなければならないとした場合、通常は撮った画像をコピーしてWordに貼り付けていくわけだから、この連携機能を使うとおのずと作業短縮も目に見える。また、是非オススメしたい使い方としては、単純にWordなどで作成するスクラップブック。Wordとスクリーンキャプチャとの連携で極めて速いブックの作成も可能かもしれない。

図58 Wordファイルに連続して貼り付け