DMPブース~3D&ベクタ・オールインワン・グラフィックスIP「SMAPH-S」のデモを公開

グラフィックスプロセッサ開発の中心はいつの間にか海外勢力に行ってしまった感が強いが、今でも「日本発の3Dグラフィックスコア」を意欲的に開発しているのがDigital Media Proffessionals(DMP)社だ。

SIGGRAPH ASIA 2009のDMPブースでは、2009年1月に発表されたばかりの新グラフィックスコア「SMAPH-S」のデモンストレーションを行っていた。

DMPブース

SMAPH-S(スマフ・エス)は、携帯電話/PDAなどのモバイル機器、テレビやレコーダーなどのデジタル家電、カーナビなどの車載機器、パチンコやゲーム筐体などのアミューズメント機器への搭載を想定して開発された組み込み向け3DグラフィックスIPになる。

SMAPH-Sの3DコアはOpenGL/ES 2.0(1.1)に対応しており、さらにベクターグラフィックスのOpenVG 1.1にも同時対応するのが特徴だ。

IPコアなので組み込み対象機器に応じてスペックはスケーラブルに変更でき、頂点シェーダは1~8基、ピクセルシェーダは1~16基まで搭載することができる。動作周波数は266MHzまでを想定。製造プロセスは65nmまたは40nmなど。OCP-IP,AMBA AXI標準バスインターコネクト対応。

OpenGL/ES 2.0は、およそDirect3D9相当であり、このためSMAPH-Sはプログラマブルシェーダ2.0相当に対応していることになる。イメージ的にはNVIDIAでいうとGeForce FXあたりのスペックを連想すると丁度良いのかも知れない。

実際のSMAPH-Sの公称スペックとしてはジオメトリ性能が約1億ポリゴン毎秒(頂点シェーダ×4時)、ピクセル性能は22億ピクセル毎秒(ピクセルシェーダ×8時)が訴えられている。最新のPC向けGPUと比べればピーク性能は低いが、SMAPH-Sが想定している組み込み機器では、表示デバイスとして採用される画面の解像度はVGA+α程度なので、スペック的には必要十分といったところではないだろうか。

製品のリリースは2010年第1四半期を予定。

SMAPH-Sの評価ボード

2Dのベクターグラフィックスと3Dのシェーダーグラフィックスの両方に対応するSMAPH-S。2つの画面に表示されている2つの映像は共にSMAPH-S評価ボードからの実機出力

(トライゼット西川善司)