竹内幸一氏のブース~CEATECでソニーが発表した単眼レンズ3Dカメラ技術の開発者
ソニーはCEATEC 2009にて「ハイフレームレート単眼レンズ3Dカメラ」による立体視デモを実施していた。
このカメラで撮影された映像は、普通に直視すると2D映像として見え、眼鏡を掛けてみるとフォーカス(ピントが合っている)像を中心に、デフォーカス(ピントが合っていない)像が前後に配置されて立体的に見える……というものであった。
この技術の元を1970年代に開発したのが、元ソニー、現電気通信大学特任教授の竹内幸一氏だ。
竹内氏のブースでは身近にあるレンズやプラスチック容器などを駆使して作り上げたローテク立体視システムが体験できるようになっており、立体視の仕組みを感覚的に学べるようになっていた。
通常、立体視というと視差ばかりが取り沙汰される。これに対し、竹内氏は視差よりも主に被写界深度に関わった立体視に着目している。
単眼レンズで捕らえた像は、そのレンズ系の焦点距離に応じて焦点が異なる。当たり前のことだ。ここで、ある焦点距離に撮像素子をおいた場合、フォーカスがずれている分だけ撮像素子に左右にぼけた像が映り込む(下のパネルの写真参照)。これを左右に分離して2枚の映像としてデータ化して立体視させてしまおうというのが竹内氏の考案した手法。
この方式は直視すれば、何の変哲もない普通の2D映像に見えるので、2D/3D兼用の3D放送に向いているとして再評価が始まっている。