RealViz社ブース、3台のプロジェクタの映像をシームレスに繋いでパノラマ映像を投影する「Sol Server」システム
RealViz社ブースでは、Mersive社が開発した複数台のプロジェクタからの映像をシームレスに繋ぎ、なおかつ湾曲投影やドーム投影にまで対応する「Sol Serer」システムを展示していた。
プロジェクタ側の機種は全く問わず、特別な投射レンズである必要もなく普通の製品でOK。これを適当にオーバーラップするように設置し、キャリブレーション用のカメラを設置してキャリブレーションを行えば、複数プロジェクタからの映像がキッチリと繋がって見えるようになってしまう。
映像を投射するPCとプロジェクタは直結され、PCはSol ServerボックスとLAN経由で接続される。
キャリブレーション用のカメラからの映像情報を元に、各プロジェクタから投射する映像の階調レベル補正、そして各プロジェクタからの映像がオーバーラップする部分の輝度補正などをSol Serverボックスにて行う。
補正はプロジェクタ側で行うのではなく、ホストPCの投射映像に対して行う。具体的にはホストPC側にインストールされたSol Serverドライバが画像処理的アプローチで行うことになる。すなわちホストPCから投射される映像はホストPC内で一回の画像処理を受けただけで直接プロジェクタより投射されるため、リアルタイムの映像出力が行える。
こうした広画角投射システムとしては、単一プロジェクタから魚眼レンズなどの特殊光学系で広画角投射するシステムも存在する。しかし、そうしたシステムでは、特殊光学系で引き伸ばされて投射された領域の解像度が低下する弱点がある。複数プロジェクタを使ったこのシステムでは投射レンズ自体は通常のままなので、そうした問題が起こりえない。
ブース内のデモンストレーションではSXGA+(1,400×1,050ドット)解像度の同一機種プロジェクタを3台用い、円筒内面状のスクリーンに3,500×1,050ドットの投影を行うデモを行っていた。システムとしては半球型(ドーム型)スクリーンやその他の多様な異形スクリーンの投射にも対応しているとのこと。
応用先としては、軍事、防衛、航空管制、ミュージアム展示、カンファレンスルームといった業務用が想定されている。
(トライゼット西川善司)