レッドローバージャパンブース、パッシブタイプの眼鏡立体視システムでフルHD立体視が可能は「True3Di」

レッドローバージャパンは、パッシブタイプの立体視眼鏡(偏光眼鏡)を掛けて見るタイプの立体視ディスプレイ「True3Di」を展示。

展示されていたのは24インチのWUXGA(1,920×1,200ドット)タイプのもので、価格は998,000円。

True3Diの内部構造概念図

通常、パッシブタイプの立体視眼鏡を掛けて見る立体視では、映像パネルとして、1ピクセルおきや1走査線おきに偏光方向を変えた画素表示を行う液晶パネルを用いる。

この場合、縦解像度、または横解像度の半分ずつを左目用右目用に割り当てるため、得られる立体視映像の解像度はパネル解像度の半分になってしまう。

一方、アクティブタイプの立体視眼鏡を掛けて見る立体視では、左目用/右目用のそれぞれの映像を、ディスプレイパネルで高速に時分割で交互に切り換えて表示し、この表示切り替えに完全同期して、眼鏡側の液晶シャッターを開閉して、左右の目に交互に左目用と右目用の映像を見せることで立体視を実現する。この方式ではディスプレイパネルのフル解像度の立体視が出来ることが利点なのだが、映像を高速に交互に片目で見ることになるため、画面の明るさが半分に感じられてしまい、また、明滅を感じることから目が疲れるという弱点を持つ。

レッドローバージャパンのTrue3Diでは、パッシブ方式の立体眼鏡を掛けて見るのに、液晶パネルのフル解像度の立体視が出来るユニークなモノになる。

種は意外に単純で、偏光方向の違う出力光の液晶パネルを二枚用意し、1枚をディスプレイデバイスの奥方向に配し、もう一枚を天板側に配し、それぞれからの映像をハーフミラーで合成して正面に出力している。

まとめると、二枚の液晶パネルそれぞれから偏光方向の違うフル解像度の映像を出力して、ユーザーはハーフミラーで合成された映像を見るということだ。この仕組みにより、偏光眼鏡タイプの立体視ディスプレイなのにパネルのフル解像度の立体視が実現されるのである。

本体中央の2D/3D切り替えボタンを押せば天板側の液晶パネルの表示が消えるので、ユーザーは奥側の映像だけを見ることになって、普通の2Dの液晶ディスプレイとして使える。

2D/3Dの表示モード切り替えに対応。パッシブタイプの眼鏡立体視システムなのにフル解像度の立体視が可能というのが特長

明るく、目が疲れにくく、なにしろ高解像度の立体視が出来るのがウリとなるのだが、天板側に液晶パネルを貼り付けることになるため、装置全体としての奥行きが大きくなってしまう。これが弱点と言えば弱点だ。

レッドローバージャパンでは2視点の業務用立体映像撮影カメラと、撮影現場ですぐに立体視プレビューが実現できる8インチ、WVGA(800×480ドット)解像度の立体視モニターファインダーも展示していた

しかし、2D/3Dの切り替えが手間なく行え、しかも2D映像も3D映像も高解像度であるという特性を活かし、3Dコンテンツ制作現場、医療現場への引き合いが多いのだという。