全体的に悪くないが、購入価格次第か

筆者は、外出先でもちょっとしたスクリプトを作ることがあるので、記号キーの小さい、キーボードに少し難を感じるが、それ以外の点では、大きな問題はない。他社のネットブックと比較して大きく下回るようなところもなく、付属ソフトなど、たとえば電源管理ソフトなど、どちらかというと優秀な方になるだろうし、細かな配慮なども悪くない。

また、HDDやメモリのアップグレードが容易という点でもメリットがある。カバーを開けるだけで、すぐに交換が可能で、たとえば、500ギガバイトのハードディスクに交換すれば、大量のデータを持ち歩くことができるし、SSDを入れれば、ちょっとした高速化を味わうこともできる。

ファンなども温度制御されており、一定速度で回りっぱなしという機種に比べると静かなところでの利用も問題ない(少し、オンオフの頻度が多いようにも思えるが、BIOSアップデートで多少改善した)。

また、従来のThinkPadのようにハードウェアメンテナンスマニュアルが入手でき、Lenovoのサイトには、パーツ取り外しの手順を説明したビデオなどもある。

出荷後のBIOSやドライバ類のアップデートもいまのところは、ちゃんと行われている。世の中には、重大な問題が発生しない限り、BIOSなどのアップデートを行わないメーカーもあることを考えると、この姿勢は評価できる。もっとも、自動アップデートサービスは終了してしまったので、ユーザーは定期的にLenovoのサイトをチェックしなければならないのだが……。

とはいえ、この価格の製品で上位機種であるThinkPadなみのサポートがあるのは、同価格帯の他の製品と違うところだ。パソコンなど、買ったら、アップグレードもしないなんてユーザーにはまったく無関係ではあるが、逆にいうと、HDDを交換したり、BIOSを最新にアップデートするなんてユーザーには、大きなメリットがある。

さて、このIdeaPad S9e。軽く調べてみるだけでも、キャンペーンなどの変動もあるのだろう、価格は、4万円台から3万円台まで、結構な差がある。さすがにこの価格帯になると、たとえ数千円でも違えば気になってくる。オプションのACアダプタが3,150円、3セルバッテリが7,350円、大容量バッテリが10,710円(いずれもLenovoダイレクト価格)である。数千円でオプション1つ分ぐらいの価格差になる。買うべきかどうかは、ひとえに入手価格にかかっているといってもいいだろう。

■仕様
型番 IdeaPad S9e
CPU Intel Atom N270(1.6GHz)
チップセット Mobile Intel 945GSE Express
メモリ 1GB(オンボード512MB+512MB)
HDD 160GB(SATA HDD)
光学ドライブ 無し
グラフィックス チップセット内蔵
ディスプレイ 8.9型光沢ワイド(1,024×600ドット)
ネットワーク IEEE802.11b/g、10/100BASE-TX、Bluetooth Ver2.1+EDR
インタフェース D-Sub×1、USB2.0×2、メディアカードリーダ、ヘッドホン×1、マイク×1、30万画素Webカメラ
バッテリ駆動時間 約6.2時間
サイズ/重量 W250×D196×H22~36mm/約1.3kg
OS Windows XP Home Edition SP3
価格 オープン