CineBench R10
CineBenchはプレビュー編の時に殆ど結果を示しているので、メモリ性能と64bitについて補足しておきたい。
まずグラフ22が、Core i7 965・32bit・Hyper-Threading有効の場合のShadingの性能比較である。確かに多少性能の差はあるが、帯域あるいはメモリ速度との相関は明確でないし、性能差も2%程度で、これは測定時のバラつきの範囲と言える。むしろ大きな差が出たのは、GPUを使ってのRendering(グラフ23)だ。
普通にはあまり影響はなさそうだが、実際はCPUに繋がったMemoryから、QPI→IOH経由でコマンド列や頂点座標、テクスチャの転送をかける形になるので、従来よりもメモリの影響が出ても不思議ではない。もっとも「大きな差」といっても、最大で5%程度しか性能差が無いから、事実上影響が無いとしてしまっても差し支えない範囲ではあるが。
次に64bitでの傾向(グラフ24)である。このテストでは、単にメモリ量云々だけでなく、明確に32bit→64bitで性能改善が見られる。しかも、QX9770では32bit→64bitで11~12%の性能改善だが、Core i7では15~22%とより大きな改善が見られるのは、CineBench R10の64bit版コードの質が良く、CPUの最適化が効き易いのかもしれない。
もっとも、これがRendering(グラフ25)となると、全般的に性能が落ち気味(Hyper-Threading無効の場合、Core i7 965では3割もスコアを下げている)というのは、Display DriverのOpenGL周りの出来の問題なのか、他に問題があるのか。まぁ手放しで「64bit環境は使える」とは言えない感じである。