では各々のテスト結果は? ということで、まずGames(グラフ4)を見てみた。グラフ4は結果の桁が大きくばらつくので、横軸を対数にしている。

さて、Hyper-Threadingが明確に高速というのはGame 3/4といったところ。

そこでGame 3の生データを表1に、Game 4の生データを表2にまとめてみた。

■表1
Core i7-920 Core i7-940 Core i7-965
HT有効 HT無効 HT有効 HT無効 HT有効 HT無効
CPU gaming (operations/s) 12388.44 19763.14 21920.28 14224.39 22366.97 14328.30
Data decompression (MB/s) 1232.68 1023.53 1196.76 1362.04 1171.56 1414.62
■表2
Core i7-920 Core i7-940 Core i7-965
HT有効 HT無効 HT有効 HT無効 HT有効 HT無効
GPU gaming (FPS) 38.25 29.64 32.60 41.95 35.56 46.21
CPU gaming (operations/s) 10940.29 18298.04 20641.34 12240.94 20767.48 13020.44
HDD - gaming (MB/s) 16.85 15.33 15.93 16.25 22.88 16.72

やはり大きく効果的なのはCPU gamingのスコアで、要するに物理計算を多数のスレッドでぶん回すケースであることがわかる。逆に言えば、こうした使い方をしないと8スレッドが有用に使えるようにはならないということだ。

次にMusic(グラフ5)を見ると、Hyper-Threadingが有効なのはMusic 1(music shop表示でウェブページのレンダリングと、WAVからWMAロスレスへのトランスコード、それとWindows Media Playerへの音楽の追加という3タスクの並行処理となる。

で、Music 1の生データを表3にまとめてみた。

■表3
Core i7-920 Core i7-940 Core i7-965
HT有効 HT無効 HT有効 HT無効 HT有効 HT無効
Web page rendering -
music shop (pages/s)
22.54 24.44 25.28 26.71 26.11 28.80
Audio transcoding -
WAV to WMA lossless (MB/s)
7.09 7.33 7.76 7.90 6.41 8.79
HDD - adding music to
Windows Media Player (MB/s)
7.14 7.25 7.79 6.66 4.65 7.75

取り立てて何か特定の処理がぐんと伸びているというわけではなく(Web page renderingなど、Hyper-Threadingを無効にしたほうが伸びているし、HDDはCore i7-965では性能が上がってるが、Core-i7-940ではむしろ落ちている)、全体的にHyper-Threadingを有効にしたほうが性能が上がるといった傾向が見て取れる。Hyper-Threadingを無効にしても4Threadは同時に実行できるはずだが、それ以上に稼動Thread数が多くなるのか、それともHyper-Threadingの様に2つのThreadでコアを共有するほうが、データ交換が高速になる分高速になるのか、あるいはその相乗効果なのかもしれない。