ついでに、ROB(Re-Order Buffer)の特性もちょっと見きたい。グラフ22~25がそれである。グラフ24、25は縦軸の始点が0でないので注意されたい。
まず一見して判るのは、Core MAが64bitでROBの効果が悪いことだ。一方Nehalem MAでは殆どの場合でCore MAよりも低いLatencyでROBがアクセス可能となっている。もっともCore MAはNetburstよりは高速ながら、K8よりはLatencyが大きいという結果が以前出ている事を考えると、概ねK8のレベルまで低減できたというべきかもしれない。
ちょっと面白いのはグラフ23である。Random Accessをする場合、NOP Countが100前後まで、むしろCore MAの方が高速になっていることだ。これはもう単純で、Random Accessだと殆どROBが効果が無く、キャッシュからもう一度Fetchしなおしになるため、これに要する時間がLatencyとしてモロに効いてくるという構図だろう。ただしPseudo-Randomでは(Forward/Backwardに比べると大きいものの)Randomより高速かつ、一応ROBが効果あるカーブを描いているあたり、このあたりはPrefetchがうまく作用しているのかな? という感じもする。