次にデータTLBについてもみておきたい。グラフ35~37がその結果である。

やはりNehalem MAのTLBは、Core MAよりも若干Latencyが大きくなっているのが判る。DTLB0にHitする領域ではCore MAがほぼ3cycleなのに対し、Nehalem MAでは3.7cycle程度となっているのが判る。3.7、という微妙な数字は、TLBのエントリ数そのものが増えたことで、若干Hit/Missの判定に時間が掛かるようになったという事と思われる。ただ、Core MAの16エントリからNehalem MAでは64エントリに増えた事で、ある程度大量のデータページを扱うケースではやや高速化できている(Core MAのDTLB1はLatencyがほぼ5cycleとなっている)事がわかる。しかし、Nehalem MAのUnified L2 TLBのアクセスはデータの場合Latencyが10cycleと、Core MAのDTLB1のほぼ倍になっているあたり、トータルとしてどちらが有利かはにわかに判断しにくい。その先、つまりDTLBやUnified TLBすらもMissするほど大量のページを扱う場合は、もう純粋にキャッシュの性能が出てくるようで、こちらはやはりNehalem MAが有利な傾向がはっきりと判る。