とっつき安さはいまひとつ

スピードトリプルを受け取り、さっそく走らせてみた。最初の印象はというと、"俺、大丈夫か?"だった。はっきりいって恐かった。簡単にフロントは路面から浮き上がるし、ゆっくりとターンしている状態からパワーをかけると、今度はリヤタイヤが空転しようとする。正直なところ、バイクの選択を誤ったと思った。この印象は徐々に変化していくのだが、数年前のデイトナ955i同様、出会いはとても友好的とはいえなかった。

まず、ポジションが独特である。高い場所にキツい前傾で乗っている感じだ。もちろんスーパースポーツのようにキツいわけではなく、シートはちゃんとハンドルよりも低い位置にある。バーハンドルは広めだが、そのぶん近いところに置かれている。高いところに腕を広げて乗っているような感じなのだ。

広いフラットなハンドルはコントロールしやすさを狙ってだろう。ある意味で、ヤマハの「FZ1フェーザー」と似ているといえなくもない。ステップは極端なほど後方にある。横から見るとリヤタイヤの直前に位置するから、スーパースポーツと同じくらいだ。総じて、極めて戦闘的なポジションができ上がる。

シート高そのものはそれほど高いわけではない(815mm)。しかし大きめのシートのため足付き性はそれほどいいとは言えない。身長178cmの私でも、両足のかかとが軽く浮く感じだ。

右サイドビュー。なんとも個性的なスタイル

左サイドビュー。スイングアームは片持ち

フロント。丸型2気筒がなんとなく昆虫を思い出させる

リヤ。マフラーは左右2本出し。排気音はかなり大きい

メーター。右上のランプはシフトインジケーター

特徴的なヘッドライト回り。ミニカウルはオプション