PS3ではCDブートのLinuxが作成できるのだろうか? そのことを真っ先に調べてみたが、最初に公開されたLinuxブートローダの時点で内蔵HDDだけではなく、CD/DVDドライブや外付けHDDからの起動をサポートしていることが確認できた。しかも、内蔵HDDよりもCD/DVDドライブの方が起動優先順位が高くなっている。

PS3においてCDブートLinuxを作ることは可能だったのである。

さて、PS3でLinuxをCDブートさせるためには、目的となるCDの用意以外に「ブートローダ」を本体にインストールする必要がある。

すでにPS3上でLinuxをインストールして楽しんでいる場合は、ブートローダがインストール済みなので、それ以上の準備なしで起動できる。CDをPS3にセットして[優先起動システム]を[その他のシステム]に変更し、再起動するだけでCD内のLinuxシステムが起ち上がる。

ブートローダがシステムにインストールされていない場合は、そのインストールを行う必要がある。

このブートローダは、内蔵HDDに「他のシステム領域」が用意されていることが想定されている。XMBの[ハードディスクのフォーマット]にて、「他のシステム領域」が用意されている場合は特に問題もなくブートローダをインストールできる。PS3のファームウェア1.60以降では、内蔵HDDに「他のシステム領域」が存在していなくてもブートローダをインストールすることが可能となった。

図のように、従来は内蔵HDD上に他OS用の領域を作成しなければならなかったが、ファームウェア1.60以降ではその必要はなくなった

ブートローダインストールの際警告が表示されるが、そこから先に進んでブートローダのインストールを行える。ファームウェア1.60以降では、より一層CDブートLinuxを実行しやすくなったといえる。

パーティションが存在しない場合の警告文

CDブートLinuxを堪能して、PS3のGsmeOSに戻りたいという場合は、すでに説明したように、ブート途中で「kboot:」と表示された場面にて「boot-game-os」と入力すると、優先起動システムがPS3に戻る。

またこの時、「boot-game-os」と入力するにはUSB接続のキーボードが必要なので、あらかじめ準備しておく必要がある。

もしも、USBキーボードを用意できない状態にあるとしたら、PS3の電源投入時に電源マークを5秒以上触れ続けていることで強制復帰モードとなってPS3に戻れる。ただし、この方法は緊急時のものであり画面設定がSD解像度に戻ってしまうため、あまりお勧めしない。