CDをLinuxシステムとしてマウントするにはいくつかのコツが存在する。

RAMディスクとCDファイルシステムを混在させたルート作成の一例を解説する。

CDのファイルシステムをルートマウントする

CDブートLinuxにおいてはルートファイルシステムとして、CDの中をマウントすることになる。

Linuxシステムを構成するファイル群は所定のディレクトリから読み出せればいいので、CDの上でもリードオンリーでも構わないのである。普通にHDDにインストールされているLinuxシステムをそのままCDなりDVDなりに焼き付けても、完全にとはいかないが途中まではそこそこ起動はしてくれるだろう。

initrdの設定まで完了したら、ひとまずで起動実験をすることになる。起動させるためにそれなりに動作するようなMinimumなシステムを用意しておくとよい。

FC5だったら、1度HDDへMinimumインストールを行い、その結果を外付けHDDあたりにバックアップをとっておくのだ。このMinimumインストールのルートイメージをそのままCDのに焼き付けたものをinitrdでルートマウントさせると一応は動き出す。

ただし、FC5のMinimumインストールは400MB近くあるので、これをベースにCDブートLinuxシステムを作ろうとすると、いろいろ削らないと大きくて使いにくいところである。

Debianの場合はクリーンなBaseシステムを作成するためにdebootstrapというコマンドが存在する。

どこか適当なディレクトリを作成して、そこでdebootstrapを実行すると、ディレクトリの中にMinimumなDebian環境を作成してくれる。


# mkdir/tmp/newroot
# debootstrap --arch ppc64 etch /tmp/newroot http://www.ring.gr.jp/archives/linux/debian/debian/

上の例では/tmp/newroot内にMinimumシステムが構築されることになる。

これをCDに焼き付ければといいたいが、カーネルとモジュールが設定されていないのでそのままでは動作しない。

chroot /tmp/newroot」などと実行して、そのMinimumシステムの中に制御を移し、Debian-Installer for PLAYSTATION 3または関連Wikiサイトから入手したkernel-imageをdpkgにてインストールする必要がある。

それさえ完了すれば、後は/tmp/newrootの中をそのままCD-Rに焼き込むだけで、起動テスト用CDを作成できる。

余談ではあるが、debootstrapを応用すればDebian系のLinuxは大抵インストールできるので、PS3でUbuntuを利用したいといった場合には有用であろう。