今年のElectronic Theaterでは、2007年度の最新リアルタイム3Dゲーム映像をまとめたプログラム「Game Technology 2007」も上映された。

CRY ENGINE 2/CRYTEK

(C) Crytek 2007

独CRYTEKが誇る最新ゲームエンジン「CRY ENGINE 2」のデモリール。「リアルタイムで実現できる可能な限りのフォトリアル」をコンセプトに開発されたグラフィックスエンジンは圧巻だ。また、動的に破壊可能なシーンの制作にも秀でており、デモ映像では銃の乱射で着弾地点の木々の枝が次々に折れていく様や、車両が激突した建物が崩れていく様などが紹介された。CRY ENGINE 2の最初のタイトル「CRYSIS」はWindows Vista/XP両対応で年内発売予定

GEARS OF WAR/EPIC GAMES

(C) Microsoft 2006

Xbox 360用のミリオンセラーゲーム「Gears of War」のゲーム開始直後のリアルタイム・ゲーム映像が紹介された。ゲームエンジンは、PS3、Xbox 360、PCに対応した次世代ゲームエンジンの代名詞「Unreal Engine 3」。法線マップを積極的に活用したディテール描写の強力なビジュアルはXbox 360の3Dグラフィックスのベンチマーク的存在にもなった。ゲーム本編はXbox 360版が日本語版ですでに発売中。また、DirectX 10に対応したPC版が年内に発売予定となっている。

Resistance:Fall of Man/Insomniac Games

(C) 2006 Sony Computer Entertainment America Inc.

PS3のゲームグラフィックスの代表例として紹介されたのは、「MOTOR STORM」でもなく「HEAVENLY SWORD」でもなく、「Resistance:Fall of Man」だった。これは、前出2タイトルとゲームジャンルを合わせての選出ではないかと思われるが、いずれにせよ、前出2タイトルと比較すると、グラフィックスのグレードとしては若干劣る感じが否めない。しかし、それでもPS3の本体発売同時タイトルであることを考えれば、十分納得のいくビジュアルであり、ゲーム内容の密度の高さには高評価が得られている。日本でも、日本語版が発売中。

Playable Universal Capture 2007 Reel/Electronic Arts

(C) Electronic Arts, Inc.

開発中のEAスポーツブランドのゴルフゲーム「TIGER WOODS PGA TOUR 08」のテクニカルデモ映像。高品位にタイガー・ウッズ自身からキャプチャーした顔アニメデータで、3Dゲームグラフィックスのタイガー・ウッズを動かす様を公開。ほとんど実写に近いこのクオリティで30fpsを実現しているという。

「PORTAL」/VALVE SOFTWARE

(C) 2007 Valve Software

「GAME TECHNOLOGY 2007」としてではなく、単発作品としてElectronic Theater入選を果たしたのがVALVE SOFTWAREの新作ゲーム「PORTAL」の映像だ。空間に入口と出口をあけられる特殊な銃を使って、様々な意地悪なトラップをかいくぐり、迷宮から脱出を目指すという、一人称シューティングスタイルのパズルゲーム。映像の品質云々よりも、「空間をねじ曲げる」という仕掛けを3Dリアルタイムグラフィックスで可視化したことが評価されての入選だと思われる。

ゲーム自体の発売は2007年10月を予定。PS3、Xbox 360、PCの3プラットフォームで発売される予定だ。