「Travelers:Snowball」by Dan Lemmon/Weta Digital,Ltd

(C) 2006 St. Paul Travelers

旅行保険会社のCM。一人の男性が下り坂を歩いていると思わず足を滑らし転倒。転がるたびに周りのものがくっついていき…というギャグリール。ゲームファンならば誰しもがバンダイナムコの「塊魂」を思い出すだろうが、実際、制作者側もそれを意識していた様子だ。

実際のロケーション撮影も行われたが、大きくなっていく"雪だるま"を構成する街のゴミはすべてデジタル制作されたもの。このデジタル部分の制作は「ロード・オブ・ザ・リング」の特殊効果映像を担当したことでも知られる、ニュージーランドのスタジオ、WETA DIGITALが担当した。雪だるまにくっついている人物はデジタルアクターで、8人分のモデルが制作されたとのこと。シーンのいくつかのステージは、通常のデジカメで撮影したデジタル写真に対して、写真内の不要な被写体を除去してから、雪だるまを転がし、パーティクルを付加し、カメラの動きを足して…といった2D+3D合成技が用いられている。

本編映像は、CM映像を紹介している様々なサイトで視聴することができる。

「NVIDIA Real-Time Graphics Research:The GeForce 8 Demo Suite」by NVIDIA Demo Team/NVIDIA

(C) NVIDIA Corporation

NVIDIAのGeForce 8000シリーズ用のリアルタイムデモがElectronic Theaterに入選した。

入選したのは、リアルなインタラクティブ・キャラクターアニメーションと変形アニメーションの技術デモであるカエルのデモ「Froggy」と、ジオメトリシェーダを駆使し、GPUだけで地形を動的生成し、さらに滝、昆虫などの出現や制御も動的にGPUだけで行っているという「Cascades」の2つに加え、新たに追加されたリアル人肌シェーダのデモ「Efficient Rendering of Human Skin」。

デカールテクスチャ、法線マップ、テクスチャ座標の算出と自己遮蔽マップの計算だけが事前計算素材で、肌の表面下散乱シェーダと影生成はリアルタイムに行っている。肌のシェーダは、ライティングされた表皮テクスチャをフィルタ径の異なるガウスフィルタでぼかしたものを何層にも重ねて表現している。

映像はNVIDIAサイトにて視聴可能だ。

「WORLD TRADE CENTER」 by MICHAEL ELLIS/DOUBLE NEGATIVE

World Trade Center images (C) Copyright Paramount Pictures 2006

ニコラス・ケイジ主演の映画「ワールドトレードセンター」の特撮解説映像。あの9.11テロ事件の舞台となったワールドトレードセンター・ビルの映像は実写をモチーフにしたCG再現映像であることを説明。主に、現在のロケーション映像をベースにCGで事故当時や事故直後の映像に仕立て上げていっている。この画面ショットの映像も現在の映像から瓦礫や煙などを付加して事故当時の映像のように作り上げている。