今年もSIGGRAPH 2007の看板イベント「コンピュータ・アニメーション・フェスティバル」(CAF)が開催された。

SIGGRAPHでは、毎年、プロ、アマ、個人、企業を問わず、広くコンピュータ・グラフィックスを駆使した映像作品を公募しており、集まった作品のなかから優秀なものを「コンピュータ・アニメーション・フェスティバル」の会場にて一般公開している。

一般入選作品は「Animation Theater」として中小規模の部屋で公開され、その入選作からさらに優秀な作品がチョイスされ、大劇場にて「Electronic Theater」(ET)として公開されている。

ET入選作はジョージ・ルーカスのILMや、ピクサーといった世界トップCG企業から、大学卒業レベルの個人作までバラエティに富んでおり、ETはまさにオムニバスCG映画祭と呼ぶにふさわしいイベントだ。

企業入選作は、その年の大ヒット映画のCG特殊効果のメイキング映像になっていることが多く、個人作品もコンピュータやシェーダ技術、CGソフトの進化にともなって年々、高度化してきており、ETはまさにその年のCG業界の全容を把握することに等価だと言っても過言ではない。

昨年は、SIGGRAPH会場のコンベンションセンター内の宴会場を劇場に仕立ててETの上映を行ったが、今年は、コンベンションセンターとは別の、サンディエゴ市民劇場を貸し切りにして上映が行われた。なお、映像投射には、ソニーが新開発した反射型液晶素子「SXRD」を採用した最新デジタルシネマ規格「4096×2160ドット(4K2K規格)対応」のプロジェクタが利用された。

劇場前には長蛇の列。交通整理の警官も出動した

毎年、ETの初回上映には大勢の来場者が詰めかけるが、今年も大盛況で、3000人を収容できる3階構造にも及ぶサンディエゴ市民劇場の座席がほぼ満席となった