今年で3回目を向かえた「中国国際アニメフェスティバル(中国国際動漫節)」は、国家広電総局(国務院直属の映画・テレビ・ラジオの監督管理機関)と浙江省人民政府の共催による中国国内最大規模のアニメ関連イベントである。大小のアニメ制作会社、中央と地方の放送局、大学をはじめとする人材教育機関、そしてキャラクターグッズ販売会社などが中国全土から集まった。
開催地の杭州は浙江省の省都であるとともに、中国八大古都の一つに数えられる歴史と観光の町。また、中国における有力なアニメ産業集積地の一つとして、前述の国家広電総局の指定で全国に15カ所ある国家動画産業基地の一つにも名を連ねている。近年は中国における「動漫(アニメ)の都」をキャッチフレーズに掲げ、一昨年、昨年と二年連続で国際アニメフェスティバル開催地に選ばれた。昨年末に国家広電総局が第3回以降の開催地を杭州に固定することを正式に決定し、今回が決定後初めての開催となった。
そんな事情もあり、杭州市当局の力の入れ方は昨年以上であった。市の中心部から会場を結ぶ幹線道路の外灯には、数メートルおきに今回のアニメフェスティバルの開催を示すのぼりがかけられ、また数十メートルおきには、今年のマスコットキャラクターで孫悟空をモチーフにした「楽楽(ルールー)」の人形が道路の植え込みに設置されていた。
また、市内の道路や会場内のあちこちには、胡錦濤政権の掲げる「和諧社会(貧富の格差がないバランスのとれた社会という意味)」というスローガンを盛り込んだ「多彩動漫、和諧生活(多彩なアニメ、バランスのとれた生活)」という巨大な看板が設置されていたことが、いかにも国務院直属の機関が主催するイベントらしくて印象的であった。