終わりに

というわけで、ゼンリンの地図製作や最新の取り組みを紹介してきたシリーズも今回でいよいよ最終回。日本全国のほぼすべての地図を正確に作るということがどれだけ大変で、どれだけ膨大な情報量かということがわかってもらえたことだろう。それと同時に、ゼンリンではそうした膨大な情報をさまざまな技術を用いて整備して記録し、よりカーナビや歩行者ナビの利便性を上げるべく工夫が施されているのも理解してもらえたはずだ。

個人的には、特に調査員の人たちがまさに靴をすり減らして都市部では1年ごとに1軒1軒の家を確認して回っているというのを聞き、その地道な努力には感動した。また、地図データのレイヤーの壮絶なまでの細かさなど、管理のすごさも圧倒されたものである。あと、ドアtoドアナビゲーションはすばらしいので、ぜひとも完成させてほしいところだ。

そして今回は、同社の複数の先進的な取り組みについても理解してもらえたのではないだろうか。自動運転技術は、日本ではどうも「クルマを運転する楽しみを奪う」的なイメージで見ている人が自動車メディアの中にすらいるぐらいだが、公共交通機関のない高齢化の進んだ過疎地のお年寄りたちにとっては同技術は今日にでも必要なぐらいであり、その完成のためには間違いなくクルマのための地図データであるゼンリンの高精細地図データは役に立つはずである。お年寄りが行きたいところを告げるだけで安全に安心して目的地まで連れて行ってくれる自動運転技術を、早期にぜひ実現してほしい。

そして最後は、大変な努力の末に作られた3D地図データを、ゲームの舞台として利用できるという試みは非常に面白かったのではないだろうか。できることなら自分の家の近所とかも見てみたいところだ。何はともあれ、あなたもぜひインストールして、秋葉原やなんば、札幌の時計台付近、福岡天神などを楽しんでみてほしい。