──次にTolapaiの事について質問させて下さい。昨年北京でGelsinger氏がTolapaiはCore 2 Compatibleになるという話をしていましたが、その後のHot ChipsでTolapaiはPentium Mベースだと発表されました。ここから考えると、Tolapaiは当初Silverthorneベースで設計されており、ところが途中でPentium Mに変わったため、Gelsinger氏が間違えたのではないか、という推測を私はしているのですが、いかがでしょう?

Steenman:いや、そういうことは無い。Tolapaiの設計は2年前に始めたが、その時にはまだSilverthorneコアは無かった。

──では今後はどうでしょう? Tolapaiは最初の製品です。これはSMB向けのRouterなどに適したNetwork向けとなっていますが、これに続く製品、あるいは今後予想されるTolapaiのバリエーションなどは、やはりPentium Mベースのままなのでしょうか? それともSilverthorneベースになるのでしょうか?

Steenman:Tolapaiは基本的に、IAプロセッサとパケット処理や暗号アクセラレーションなどを統合したプラットフォームだ。Network Processingの観点で言えば、QuickAssist Technologyの環境下でContent Processingを(Accelerationが)担う事で、例えばStorage ApplicationやSecutiry Applicationなどを構築する事になる。

我々は次世代の製品のデザインにあたって、非常に多くの選択肢がある。インプリメントのベースとなるのは、IAとContents Processingを1つのプラットフォームで提供する事だ。そこで問題となるのは、どこまで現実的にインプリメントできるか、という話だ。Contents ProcessingをIAで行わせるためには、非常に多くの構成が考えられる。

例えばプラットフォームレベルでは、Single-CoreとMulti-Coreの両方がありえる。どれだけの機能を盛り込むか、とどれだけのスケーラビリティを提供するか、が問題となってくる。そういうわけで、あなたの質問に「Yes」(つまり次世代TolapaiがAtomベースとなる)と答えるのは非常に難しい。アーキテクチャ的には1つであっても、様々なアプリケーションに応じたスケーラビリティを提供するために、様々な構成がありえるからだ。

──これに関係しますが、Intelは最終的にどの程度の種類のSoCを提供しようと考えているのでしょう?

Steenman:沢山(Many)だ。4つの成長分野、つまりMID、Low cost PC、Consumer Electronics、Embedded、このすべてのマーケットはいずれもSoCが適用できる可能性があるし、Embedded Marketに関しては複数種類のSoCの投入を予定している。

──通常そうしたマーケットは特定の機能が求められる関係で、ASICやSoCが使われています。確かにIntelは沢山のSoCを設計し、製造する能力はありますが、ただVolumeがどこまで見込めるかは疑問に感じるのですが。技術的にはともかく、コストの観点でそれはリーズナブルなのでしょうか?

Steenman:我々はScalable Platformを目指している。多くのアプリケーションはScalabilityがあれば解決するので、数百ものSoCを設計する必要はない、と考えている。それと、我々の第2世代SoCであるMoorestownは、CPUの性能にクリティカルである多くのユニットを統合している。つまりCPUとGraphics、Media Processing、それにMemory Controllerだ。これらが、アプリケーションに必要なパフォーマンスを提供する。

一方チップセットが次の要素になる。この世代のチップセットはI/O Hubだから、アプリケーションに必要なI/Oを統合させることができる。つまり、アプリケーションに合わせた異なるI/O Hubがそれぞれ用意される形だ。我々はそうしたI/O Hubを提供できる。

──確認しますが、IntelはSoCのみならず、特定の顧客やアプリケーションに合わせたI/O Hubも提供する、という事ですね?

Steenman:我々はそうしたものを提供できる能力があり、そうしたEco Systemを構築することができる。様々なアプリケーションごとに要求される異なったプラットフォームを提供するために、多くの選択肢があると言うことだ。