処理能力要求に応じて動作周波数とコア電圧を動的に変更
DVFSとは、プロセッサの処理能力要求に応じて動作周波数とコア電圧を動的に変更する機能である(図5)。動作モードとして、ハードウェアによるリアクティブモード、ソフトウェアによる予測モード、突発的にプロセッサに高い負荷が掛かったときのパニックモードを備えている。
図5 DVFSのアルゴリズム例 |
動作は、プロセッサの周辺機能の負荷をハードウェアがモニタし、①リアクティブモードではハードウェアが自動で動的に電圧と周波数を更新し、②予測モードでは学習した負荷予測から電圧設定値を事前に更新する、③パニックモードでは、USB HS動作開始などのイベントによる突発的なCPU負荷増大に対応していく。
このように適時プロセッサへの負荷をモニタし、最適な動作周波数や動作電圧になるように更新を行うことで、ハードウェアやソフトウェア、PMICが協調して、低消費電力化を実現する。なお、DPTCと併用することで、数十%もの消費電力の低減効果を実現ですることがきる。そしてDPTCやDVFSの実現にもPMICが活躍している。
最後に
組み込み機器では、高機能で高性能な処理を低消費電力で行うことが求められている。携帯電話に代表されるバッテリで駆動するポータブル機器においては、こういった要求は特に強い。
そして、こういった組み込み機器に搭載されるプロセッサは、多様なパワーマネジメント機能を備え、低消費電力化を図っている。組み込み機器を設計する場合には、これらの機能を知り、そして活用することが必須である。
(資料提供/執筆協力:フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン)