アプリケーションプロセッサ「i.MX31」の概要
ARMプロセッサのひとつである「i.MX31」のパワーマネジメント機能について述べる前に、簡単にi.MX31の概要を見てみよう。
i.MX31は、最大532MHzで動作する「ARM1136JF-S」コアと128KバイトのL2キャッシュを搭載し、高度なマルチメディア処理機能を備えたアプリケーションプロセッサである。2Dおよび3Dグラフィックスアクセラレータを内蔵しており、高速かつ低消費電力でのグラフィックス処理が可能である(図1)。
図1 i.MX31の概要 |
このように多くの機能を搭載するi.MX31のパワーマネジメントに関する機能として、次のようなものがある。
①Active Well Bias (AWB)
②Partial power gating
③Short wake-up time from low power modes
④Low-Power Clocking Scheme
⑤DPTC:Dynamic Process & Temperature Compensation
⑥DVFS:Dynamic Voltage Frequency Scaling
①~④は既存の機能であり、特に⑤と⑥はi.MX31の新しいパワーマネジメント機能である。これらを順に見ていくことにしよう。