温度条件変化によって電圧の最適値を動的に検出・補正
ここからは、低消費電力化のためのFreescale独自のSmart Speed技術を紹介しよう。ひとつが「ダイナミックプロセス温度補正(DPTC:Dynamic Process & Temperature Compensation)」であり、もうひとつが「自動ダイナミック電圧周波数スケーリング(DVFS:Dynamic Voltage Frequency Scaling)」である。
DPTCは、温度やチップ固有のプロセスのスピードに応じて変化する参照回路遅延時間を元にして、その時点での動作周波数に最低限必要なレベルまで電圧を低下させる機能である(図4)。そのためにルックアップテーブルを用意した。
図4 DPTCのコントロール |
温度によって発信周波数が変動するリングオシレータを内蔵し、その発振クロックをカウントする。それを参照カウント値としてモニタし、ルックアップテーブルの値と比較を行う。比較したデータから現在の電圧を変更する必要があるか判断し、PMICへ制御信号を送ることで最低コア電圧に向けてコア電圧を変化させる。ルックアップテーブルを新しいコア電圧用に更新し、再度新しい電圧での参照カウント値をモニタして比較を行う。これらの制御を繰り返すことにより、動作電圧を最低コア電圧に収束させる。
こういった適時のモニタとルックアップテーブルの更新を行うことで、ダイナミックな温度環境変化に追随して常に最低コア電圧を保ち続けることが可能になり、低消費電力化を図ることができる。