Xcode 3.0

開発ツールであるXcodeとInterface Builderも、それぞれ大きくバージョンアップした。それぞれを見てみよう。

まず、Xcodeだ。起動してすぐに分かるのが、「Welcome to Xcode」と呼ばれるウインドウが追加されたことだ。Xcodeに関する基本的な情報や、ニュース、ドキュメントなどへのリンクがまとめられている。この画面には、タブなどがあるが、HTMLを用いて記述されている。今後はこのようにWeb 2.0テクノロジーを、デスクトップアプリケーションで利用する例も増えるだろう。

起動後、ソースコードの編集を始めると、ビジュアライズ化されている情報が増えていることに気づく。エディタウインドウの左端で、コードブロックごとの階層構造を、色の濃淡で表している。マウスをポイントすると、その階層が強調表示される。

さらに、この構造を折り畳み出来るようになった。これにより、長いソースコードも効率よく編集出来る。多くのプログラミングエディタで備えている機能だが、ようやくXcodeでも実現された。

ソースコードの編集が終わったら、コンパイルしてみよう。警告やエラーが出るが、これらの表示のために、メッセージバブルと呼ばれる仕組みが使われている。エディタの中に、追加情報が埋め込まれて表示される。

このインタフェースは、デバッガでも使われている。ローカル変数の表示や、デバッガの操作などがソースコードに埋め込まれて、より直感的に把握出来るようになっている。

開発ツールでありながら、この執拗なまでのユーザインタフェースへのこだわりが、Mac OS Xらしさなのだろう。それ以外にも、プロジェクトの状態を保存して、任意の時点に戻せるようにしたスナップショット機能や、Objective-C 2.0への以降の支援機能、リファクタリング機能など、開発ツールのトレンドも取り込んでいる。